THE座談会 3《第7回》計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく

まちがもっと素晴らしい感じになるのだろうなといったことがあったら…

《第7回》 計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく

《辻井》
そろそろ予定の時間になりますので、それぞれのお立場で暮らし方、住まい方、エネルギーのこととかを提案するお立場のお仕事をしていらっしゃるので、これから求められるまちのあり方、暮らし方。あるいは、今のニーズに対して、こういった暮らし方を提案していけたら、まちがもっと素晴らしい感じになるのだろうなということがあったら、保坂さんから順番に、お願いします。宮坂さんのおっしゃる「モヤモヤしていると」いうところを受けて、モヤモヤのスッキリに向けて。

《保坂》
私、建設会社の人間としてということとは別に個人的な思いなのですけれども。もう少しエリアごとに個性があってもいいのではないかと思うのです。

多分、先程おっしゃられたことと似ているのかなと思うのですけれど。東京には、何々街、問屋街、ここは革製品を売っているというところが、すごくエリアごとに強く出ていると感じます。なかなか札幌の規模だとそこまではいかないと思うのですけれども。おっしゃられたように私みたいに子供がいて庭付の一軒家が欲しいという人たちに向けて、ここはこういうコンセプトでいきます。

住んでいる人たちが満足するような…

たとえば、都心だけれど芸術系を楽しめますだとか、札幌駅北口でいうと北大があるから学生の活力を感じながら本屋さんがたくさんありますよとか、そういうようなエリアごとにエリアに住んいでる方たちがもっと意識して打ち出していけて、それと同時に我々のようなデベロッパーですとか、一緒にまちをつくっていくものもそれに参加していければ、もっともっと各方面で小さなエリアでも特色のある、住んでいる人たちが満足するようなまちづくりができるのかなと思いますね。

《辻井》
まちのリノベーションというのはエリアでどう価値を高めるかということが非常に大事だということですね。おっしゃった通りエリアカラーの作り方は非常に大事なポイントになってきそうですね。ありがとうございます。

《市橋》
自分は、まさにエネルギーの仕事に携わっておりますので、ガスと電気を皆さんにお使いいただいている立場として、当然建物一つ一つにガスと電気を供給するという考えなのですが、これからは、どちらかというと、まさにエリアで電気を融通し合う、熱を融通し合うという考え方に変わっていくべきなのだろうなというふうに思います。

《辻井》
それは、インフラのリノベーションを地域の仕組みに組み込むということなのでしょうか。

《市橋》
リノベーションというよりも、やはり効率よく使っていこう、無駄のないということですね。

たとえば、原子力発電が悪いとはなかなか言いにくい部分もあるのですけれども、原子力発電で電気を起こすと必ず熱が出ます。今その熱は全部捨てているのです。ですから海水温が上がり、周辺の海水は温かいのです。

そうではなくて、その熱をしっかり使いましょう。それをエリアで熱を分け合って融通し合う。例えばですけれども、我々も2年後に新しく社屋を建てるのですが、そこに天然ガスのコージェネレーションというものを入れて、そこで電気をつくろう。その余熱は、熱供給公社というのがあるのですけれども、そこに熱を全部出そうと。熱も捨てずに使うことがこれから電気と合わせて、それは環境にも繋がりますし省エネにも当然繋がっていくということで、建物ひとつひとつではなくてエリアで電気と熱を使っていくということが重要なのだなというふうに思っています。

建物ひとつひとつではなくてエリアで…

《辻井》
それもエネルギーのシェアみたいな考え方ですね。

《宮坂》
まちづくりをずっとやってきたのですけれども、まちづくりは誰かが犠牲になることもあるのです。良いことばかりではないと思うのです。だから本当にしようと思ったら、そこのために何かを捧げて、自分の利益じゃなくてまちのため、皆のため。しいては国民のために本当は政府がやってくれるのが根本なのですけれど。本来はそこからいくべきと思うのですが、反対に私たち小さな個人が自分のためではなくて誰かのためにして、それで皆が豊かになるという考え方をまちづくりの基本にしていけたらどこのまちづくりもうまくいくと思うのです。

一番、私も色々やっていて、行政が一番動きにくい。自分たちのことしか考えていないように感じることもあります。

行政が一番自分たちのことしか…なるほど

《辻井》
行政が一番自分たちのことしか考えていない。なるほど。

《宮坂》
だから、いくらいっても行政の壁に遮られてしまうというのが琴似のまちづくりをやっていても感じた点なのです。

《辻井》
それは、色々やってはだめ、これやってはだめ、一緒にやらないとか、そういうこと?

《宮坂》
規制があって、税金のこととか色々なことがあっても、皆が一生懸命やっているのに控除とかそういうものに関して、ここでだめですよみたいな。そうすると、やっぱりやらなくなってしまう方もいると思うのです。一生懸命、皆のためにやっているのに。だから行政がもう少し、本当にやってくれているのはどこだろう。

たとえば札幌市なら、札幌市のためにやってくれていることはなんだろう、というところをもう少しちゃんと見極めることのできる人たちになっていただけると、もっともっとまちづくりが広くやっていけるのかなと。

まちづくりは、大きな企業さんがドンと主導権を握ってやっていただけるともっと早いと思うのです。何たってお金、資金力がアレなので。そういうふうに下から、個人が一生懸命やって、企業が一生懸命やって、それなら行政もやるかと。多分、下からこうやってあがっていかなければならない時代なのかなということを感じています。

《辻井》
ありがとうございます。

《森オブザーバー》
今の宮坂さんの発言と、市橋さんの発言も気になっていて、まちが変化していくという場合、再開発という手法で最もドラスティックに変わっていっていると思うのです。

でも、今の話を聞いていくと、そういった手法に関わらずエリアとして何かを目指していくという視点が行政にも必要で、再開発は再開発法という法律に縛られて事業をやっていくわけじゃない。そこにこのエリアで何を目指すのかみたいなことをきちんと話していく。そこに宮坂さんがおっしゃった企業が参入するには何を目指すのかという目的とか機能とか、明確にあった方が企業は入りやすいですよね。

そういった視点を持っていくセンスというものがこれからのまちづくりを担う方々には必要なのではないですか。

《宮坂》
私の言いたいことはそれなのです。

私の言いたいことは…

やはり大きな企業さんを引き付けるだけのアイディアを出せる人材。下から一生懸命やっていくことを上に。本当は違うのですよ。一番上の皆が一生懸命やっているから皆がやっていくというのが本当はその方が楽なのですけれども、今の世の中はそうではないので。結局個人が一生懸命やって、これだけ一生懸命やっているのなら、ということで企業さんが参加して、企業さんが一生懸命やると行政も動くとか、そういう形の時代なのかな。

 

《森オブザーバー》
そういった計画力、企画力そして住民力を一緒に磨いてく必要があるのでしょうね。

《辻井》
今回は、まちのリノベーションあるいはリノベートを考えるというテーマで、皆さんにお話をいただきました。これは一回で終わるようなテーマではないので、協議会としてもまちの中心を考えるというテーマの中でリノベートの可能性を議論していくことになると思いますので、広げてまいりたいと思います。
今日は、皆さん、どうもありがとうございました。

 

《第7回》 ここまで

【THE座談会3】はこれが最終回です。最後までご覧下さりありがとうございます。

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【THE座談会3】
《第1回》 座談会メンバー、それぞれのまちの今
《第2回》 ライフスタイルの変化と交通の利便性の関係
《第3回》 まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方
《第4回》 モノやコト、居住空間をシェアするということ
《第5回》 地域コミュニティとコミュニケーションの昔と今
《第6回》 エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション
《第7回》 計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく

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THE座談会 3《第6回》エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション

《第6回》 エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション

《辻井》
施設などは、それぞれの目的を持って色々つくられていきますけれども、それこそまち中だからこそ複合化というか、世代間交流の観点もあるでしょうし、仕掛け方、まちの手直しの仕方というのは非常に大事な視点になってきそうですね。

宮坂さんは、お父様の時代から脈々と琴似のまちづくりをご覧になられて、お父様も色々な展開をしてこられて、逆に、今、かなり住宅も増えたというところで、次の琴似のまちの姿というのはどんなことを考えていらっしゃいますか。

《宮坂》
先程も言いましたけれども、ちょっと夜の居住だけではない昼も賑やかになる、娯楽施設とか、琴似に何が足りないのか試案中なのですけれども。

オフィスも入りましたし、飲食店もすごくお薦めはないにしてもたくさんあります。コンビニも揃っていますし、すごく便利な場所なのですけれども、次は何という話では、私的にはホテルが足りないのかなと思っています。

今、殆ど満室なのです琴似のホテルも。ちょっと前まではビジネスホテルはすごく空いていたのです。ここ最近は、ずっといっぱいになっています。

《辻井》
市橋さんはホテル案件とかも扱われるのですか。

《市橋》
ホテル案件ですか。自分の会社の営業は結構縦割りになっているので、マンションの営業部隊とホテル・病院ですとか、ざっくり分かれています。色々な設計事務所さんからもかなりきています、今ホテルはすごいですね。

市橋さん

《宮坂》
札幌は、足りないのですよね。

《市橋》
本当にすごいですね。

《辻井》
それはインバウンドというか、外国のお客様が増えているということが大きい?

《市橋》
だと思います。

《宮坂》
それは大きいかもしれないですね。でも、それがいつまで続くかといわれると、そこが難しいところなのです。そこにどうやって手を出すのか思案です。

《市橋》
最初は2020年まで、この傾向が続く的な話で聞いていたけれども。

《辻井》
東京オリンピックということですか。

《市橋》
関係ないんじゃないみたいな。

《宮坂》
北海道は遅れているのですよね、いろいろな面で。

宮坂さん

宿泊以外でも、色々なことにおいて。私なんかは、主人もそうなのですけれども東京で働いていましたので、来た時に、「えっ、北海道の人はこのテンポで働けるの」と主人が言っていましたけれども、全て遅い。ここで親しんでしまうとそれがのんびりしていて、これでいいんだと思うと楽といえば楽なのですけれども。来た当時は、「えっ、何、なにこれ」と主人に盛んに言われて、「しょうがないしょうがない、北海道の人はそうなの」と一生懸命なだめたものです。2年・3年が経ったら、これもいいかなと思ってきたのです。

そういうふうに全てにおいて東京などから比べるとテンポ的に遅いし、やる気がないように見られてしまうところが多分あると思うのです。北海道の方は、それなりにフロンティア精神もありますし、他のところとは違う意識は根強くある気はするのです。でも、何故かそれが表面化されていないのがもったいないと私は思います。

《辻井》
スピード感の話ですか。

リーダーシップをとるのが苦手とか。

《宮坂》
スピード感もそうですし。そうですね。それはありますね。

《市橋》
食糧基地だったりエネルギー基地だったりして官制でつくられてきた地域なので、声があがらないとやらないというのはあるかもしれませんね。

《辻井》
官制というのは、お上主導ということ?

《市橋》
お上の声掛けで皆動いてきた。

《宮坂》
ちょっと寄せ集め的ですね、北海道は。本州とか京都など、関西方面だともっとそこの地盤に根付いてる方が結構多いと思うのです。北海道は寄せ集め的というか、そういう方が多いですよね。

《市橋》
基本、スパンが違いますよね。京都の周辺は千年単位ですものね。

《辻井》
確かに。多分、まちのリノベーションのやり方もあるし、今お話が出たように、もみじ台のような当時の新興住宅地の高齢化がドーンと入って、ドーンと高齢化になっているところにどうやって手を入れようか。住宅自体のリノベーションもしていくという両方だと思うのです。

札幌もまちの縮め方で、とりあえずは地下鉄沿線に集中させよう。それ以外のところはどうしようかというところは、まだお住まいの方もいらっしゃるし、空地が増えている状態でもたたみ方がなかなかできないでいる宙ぶらりんの状態なのだろうと思うのです。

保坂さん

まちの中心のリノベーションもそうですけれども、ライフスタイルで、まちなか暮らしを求めるように、郊外ライフを求める方のニーズはなくならないと思うのです。ですから、それぞれ魅力はあると思うので、ちょうど良い選択肢が増えて欲しい、今までは、まち中の選択肢が少なすぎたということはあったかもしれないなと思います。

《宮坂》
郊外は、かえって住みやすい。

《辻井》
農園付住宅とか、そういうのが楽しい。

《宮坂》
絶対これからはそっちだと思うのです、私が思うのは。絶対その方が人間的にも豊かになるし、子供たちものびのび暮らせる。それぞれ好みがあるので、もっと計画的にやっていく。

だから、見えない、何を目的にしているのかわからないでモヤモヤしていると結局どっちつかずで、全部が駄目になってしまうのではないかという心配はありますね。だから郊外は郊外で、そういうことを望む方もいっぱいいますので、若い方にしても年をとった方でも。それこそ定年後に何かしたいという方もいっぱいいます。新しい郊外暮らし的な土地利用を考えてもいいのでは。絶対にマンションが好きだったらマンションに住めばいいと思います。


《第6回》 ここまで

次回「《第7回》計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく」で【THE座談会3】は最終回です。

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【THE座談会3】
第7回まで順次アップしていきますので、引き続きご覧ください。
《第1回》 座談会メンバー、それぞれのまちの今
《第2回》 ライフスタイルの変化と交通の利便性の関係
《第3回》 まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方
《第4回》 モノやコト、居住空間をシェアするということ
《第5回》 地域コミュニティとコミュニケーションの昔と今
《第6回》 エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション
《第7回》 計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく

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THE座談会 3《第5回》コミュニティとコミュニケーションの昔と今

《第5回》コミュニティとコミュニケーションの昔と今

《辻井》私の実家は戸建て住宅地だったのですけれども、私が小さい頃は、まだ下水がしっかりしていなくて、町内会でドブさらいというのをやったのです。

《宮坂》わかります。

《辻井》皆で集まってドブさらいをやったり、輪番というのがあって、電球の交換なんかも町内会でやってました。僕は、まだギリギリそれを知っている世代です。親が出掛けて行って、地域で共同でやったような。

《宮坂》いろんなことをしましたね。

《辻井》今は、道路管理者にお任せみたいな感じで。確かに便利になってまちの姿も変わってきて多分今おっしゃったようにコミュニケーションの方法も随分変わってきたように思います。ちょっと寂しいなと思われるのはそういうところかもしれません。

《辻井》つい最近は琴似で、理事の川瀬さんも一緒にイルミネーションを毎年やっておられ、色々音楽のイベントも仕掛けられている、という話を聞きました。まち中で住宅やサービスもそうですけれども、そのような活動も魅力のひとつになっているのかなと思います。

《宮坂》イルミネーションなんかは、本当はお子にいっぱい集まっていただきたいのです。この間12月1日にイルミネーションの点灯式をしたのですけれども、老人が多いのです。圧倒的に老人の方。

《市橋》子供たちというのは。

《辻井》いないわけじゃないですよね。

《宮坂》保育園とかにもお知らせしているのです。でも、やはり時間的なこともあって、若い方たちは忙しい時間、夕方5時・6時なのでお忙しい時間なのかもしれないですけれども。

地域との関わりはこれから(宮坂さん)

《辻井》保坂さんは、そういうイベントがあれば行きたい方ですか。むしろ、今あまりないのがご不満のような気もしますが。

《保坂》確かに夕方の5時・6時は忙しい時間なので、多分お子さんを連れてこられない方も多いかなと思うのです。結構土日でもバザーがあったり、あれば私は行っている方なのですけれども、少ないかなとは思いますね。

もう少し自分の身近な場所で自分たちが普段顔を合わせる方たちが、多分それを町内会と言うのだと思うのですけれども、主催しているイベントがもっともっと身近にあったらいいなと思いますね。

もう少しエリアで、介護問題とかもそうですけれども、小さなエリアで手助けしてくれたり、まちづくりをしてくれたりする人を、もう少し近距離で感じられるような付き合いがあればいいなと思っています。

《辻井》市橋さんは、今お住まいのところで地域との関わりというの、意外とないですか。小学校のコミュニティはあるのでしょうけれども。

《市橋》自分の親世代の皆さんですけれども、僕ら世代とちょっと世代が違うということもあるかもしれませんけれども、見ていると、僕以外の方と近所付き合いをされているかというと、そうでもないですよね。あまり年代は関係ないのかなという。何となく時代なのかなという。

《辻井》若干希薄にはなってきているのかもしれないですね、全体的に。

《市橋》なっていると思いますね。ただ、子供はガチャガチャたくさんいるので、それで声をかけてもらうということはありますけれども。

《辻井》うちの住んでいるマンションは、集会室を開放して、町内会と一緒にコミュニティサロンをやっています。もちろん集まるのはお年寄りの方なのですけれども、ある意味地縁コミュニティを、マンションの中に住んでいる方だけではなくて周りの戸建て住宅の方とかも集まれるようにちょっとやり始めているのです。僕はまだ出ていないのですけれども、老後の楽しみにしています。《笑》

《市橋》取っておいてあるのですね。

《宮坂》子供が集まったのは、点灯式の次の日にバルーンフェスティバルというのをしたのです。うちも協賛したのですけれども、そこを見てきたら子供さんがたくさん来ていて、それは昼間で、そこで音楽をしたり、色々な催し物をして、そういうことをすると子供さんは集まるのかな。

《市橋》僕らも地域のイベント事はないのですね。嫁の親が北広島に住んでいるのですけれども、町内で餅つきがあるのです。子供は行きたがります。そういう経験がないですから。

《辻井》普通の盆踊りとか、そういうのではなくて。

《市橋》餅つき、多分、地域でやったことがないので、餅つきは婆ちゃんのところでやるものだみたいな子供の認識なのです。確かに、周りでも餅つきをやったような話は聞いたことがないですね。

子供たちが行きたがるのは例えば…(市橋さん)

《辻井》なるほどね。札幌の都心にまちづくり会社が2つあって、赤レンガプラザやなにかで、まち中のあの辺もお祭りがない、お祭りをやろうよといって色々な企業の方が集まって、企業も市民だと思います、イベントをやり始めています。これらは、まちを使い倒すやり方の一つになってきているのかなとその時感じました。

保坂さんは、フリーマーケットとか、そういうようなものも、まち中では神社さんとか公園を使ってやり始めていますけれども、そういうものが身近にあると楽しいですか。

《保坂》そうですね。

《辻井》買う側ですか、出す側ですか。

《保坂》完璧に買う側ですね。将来退職したら、自分がまちづくりの支える方になれるといいなと今は思っているのです。

先程おっしゃったように餅つきなんかがマンション内でもあったらいいなと思っていまして、なかなかマンション内でそういうことをやり始めるのは、マンションに住んでいる方が高齢になってからやり始めるのかなと勝手に思っています。

最初、新築に住んだ時は、ある程度忙しい若い世代が入ってしまうので、60代・70代になって退職した方がそういうようなマンション内のイベントを実際にやっているようなマンションがあって、そういう意味では建物は老朽化していって価値は下がっていくのだけれども、住まわれている方の年齢が上に行くにしたがってそういうコミュニティのサービス面が整っていくことも可能なのかなとは思うのです。

ただ、自分が住んでいる地域に関していうと、年齢は結構上にいかれている方も多いのですが、一緒にやろうよという意識が波及しないでいるのかなとは思うのです。そういったきっかけづくりみたいなものがどこかであれば。たとえば、市役所とか町内会の何かしらのもの、企業さんが近くに来てくれて企業さんが主体になったり学校が主体になったり、ちょっとしたリーダー的存在とインセンティブみたいなものがあればまだまだ新陳代謝は活発になっていくのではないかというふうに日々感じています。

《辻井》琴似では、そういう情報提供とか集まる場所というのはどうですか。

《宮坂》集まる場所。私は、あまりそういうのに参加していないので申し訳ありません。色々忙しくて。

ただ、今おっしゃったように餅つきとかはおもしろいなと思ったのです。老人と子供たちが接する場所があると良いのかな。たとえば、うちの近くの病院で老人の施設をつくったのです。その施設の下に病院が経営する保育園を入れているのです。そうすると、保育園のところに老人の方が遊びに来て子供たちと接する機会を設けている病院がありまして、それはなかなかおもしろいなと思いました。

《辻井》合わせ方ですね。きっかけが生まれるように組み合わせるという。

《宮坂》老人の施設には子供はいないのですけれども、保育園があることによって自分と同じ屋根の下に子供たちがいるという環境だと老人たちもいいです。子供たちもお年寄りと接することが少ないので、どうやって接したらいいのかわからない子供が結構多かったりして。私はそういうことを推進してくことはいいなと思っているのです。それこそ餅つきでも、若い方たちはどうやって餅つきをしたらいいのかわからないでしょうし。

《市橋》そうです。

《宮坂》どうお米を蒸かすとか、それをどうするのかわからない。やはり知っている人がいて、その人たちが先導、それこそお年寄りも生き甲斐を感じると思うのです。

《辻井》懐かしいと言ってね。

地域のコミュニケーションを生み出すきっかけは?

《宮坂》自分は知っている、教えるという、元気な方は自分の知っていることを教えてあげるとか、自分が役に立っているということが、老人になっても生き甲斐につながるのだと思う。ただ楽をさせていればいいということではないと思うのです。

うちの母には孫がいまして、男の子3人なのです。男の子3人だとすごいんです、うるさくて。家中を駆けずり回るし、寝ているところに行って「婆ちゃん」と騒いで。帰る時に、皆が挨拶に来て、「これで静かになるからね、良かったね」と言ったら、「そんなことないよ」と母が言ったのです。うるさくても、孫がいることが嬉しかったのだと思います。もう100歳を過ぎていた時ですけれども。

《辻井》元気を貰うのかな。

《宮坂》そうですね。ニコニコっとなります。喧嘩しているのを見ていてもニコニコになります。そういう接する場所をコミュニケーションの場としてつくっていくこともこれからどんどん必要になってくるのかなと思います。

 

【THE座談会3】

次回につづく「《第6回》 エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション」

《第1回》 座談会メンバー、それぞれのまちの今
《第2回》 ライフスタイルの変化と交通の利便性の関係
《第3回》 まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方
《第4回》 モノやコト、居住空間をシェアするということ
《第5回》 地域コミュニティとコミュニケーションの昔と今
《第6回》 エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション
《第7回》 計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく

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THE座談会 3《第4回》モノやコト、居住空間をシェアするということ

 

《第4回》モノやコト、居住空間をシェアするということ

《保坂》
車を保有する優先順位の変化、余力がない。どちらも同時にあると思います。車以外の遊びがたくさんある世代になってきているので、昔のような、どうしても働いたら車を買うという傾向も非常に少なくなっていますし、親と一緒に住んでいる世代も非常に多くて、親の車を借りるだとか、シェアというのが当たり前になっている世代かなと思います。なかなか車を現実的に持てないというところも同時にあります。

《辻井》
選択肢も増えてきているのだろうと思いますね。
そして、シェアするというワードは鍵になるような気がします。
シェアという考え方に違和感がなくなってきたような気がしますね。昔は、占有が常識みたいなイメージがありますけれども、特に集まって住むことというのはシェアする価値が高いように思います。どうですか琴似なんかでは。

《宮坂》
私はシェアということにはあまり抵抗ないのですけれども、私たちより上の世代の人たちは、やはりシェアということは馴染みないですね。自分の物じゃないと自由に使えないとか、ちょっと考え方は世代によって違いはあるのかなという気はします。
ご高齢近くの方で運転が嫌なので、それこそ宮の森の山の上のマンションにいたけれども琴似に来ましたという方は、結局、子供たちに車があるのでそれに頼りますみたいな感じでしたね。ああ、そうなのかと思って聞いていましたけれども。

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《辻井》
今、過渡期なのかもしれませんね。
割りとどちらも選べるという、シェアの部分がメニューも増えてくれば色々取捨選択もできるようになってくるのでしょうね。

《森オブザーバー》
宮坂さんと保坂さんがおっしゃったことはとても重要で、団塊の世代が現役引退をしていく時期にあたり、今後、社会の中心世代のライフスタイルが大きく変わると思います。
それと、何かをシェアしていく、空間でも所有物でも時間でも。そういうことが自然に受け入れられる世代がどんどん中心になっていくのでしょう。その時に、エリアをリノベーションしていく、更新していくという事柄が、団塊の世代が退場した時に相当変革していくはずです。それに合わせてまちづくりを考えていく必要もあるのだろうと思います。
多分、まちの広域連携もシェアしてくという仕組みのひとつではないでしょうか。特にこれからの介護問題・医療問題などの課題に地域が連携して取り組まなければ追いつかないと、連携という言葉を使っていますが、連携は、シェアしていく、お互いに活用していくということの形のひとつではないでしょうか。

《宮坂》
今の介護の話なのですけれども、私たちくらいの世代は、子供は当てにできないよと皆言うんです。子供に見てもらうなんて無理よ。それなりのところを選んで行くしかないよね、という会話がほとんどなのです。
ただ、私は一番下なので、私のいとこは70代・80代の人がいるのですけれども、えっ、そんなところに入れられるのと驚きの面もあるという状況です。
うちの一番上の姉がシルバーの施設に入っているのですが、いとこから言うと、えっ、入れられちゃったのという感覚なのです。姉も入った時は、いいのよ、何もしなくてもいいし、みんなスタッフがしてくれるし、いいのよと始めは言っていたのですが、この頃電話がかかってきて、どこにも行けない、どこにも行けなくなったってぼやいていました。出歩くのが好きな姉だったので。
世代で覚悟も違うし、80代の人たちは親を見てきた世代なので、私たちは辛うじて見てたけれども、その中で大変なんだという経験から、私たちの子供たちにさせられないよねという考え方も多いのですけれども、昔の人たちはそれで当たり前で育ってきているので、その辺の年代の価値観は全然違うのかなと思います。同じように話していたら、多分無理なのだろうなということをすごく感じますね。

《辻井
逆にシェアの形も色々発展していくかもしれませんね。

《宮坂
逆に若い方たちはどう思っているのか。まだそういう年齢ではないのかもしれないですけれども。 

《辻井
でも、昔は住宅すごろくがあって、若い頃は賃貸のアパートで過ごして、やがては一戸建てというところですごろくあがりというような形が、いろいろありましたよね。
現在まち中の戸建て住宅の多くは再開発で大型集合住宅になり、その先があってサービス付きの高齢者集合住宅に入ったり、あるいはグループで住まう、あがり方もずいぶん変わってきて、住宅の姿形の選択肢が増えてきたように思えます。選択肢が増えると、多分、価値観が分かれていって、というような気もちょっとしています。
うちの母は、今、戸建てに1人で住んで、頑張ると言っていますけれども。

《宮坂》
うちの母は、93歳くらいまで1人で住んでいました。

《辻井》
庭いじりが好きなのでそれもあるのですね。

《市橋》
女性は強いですね。

《辻井》
我々どうしましょう。

《宮坂》
昭和ひと桁までは強いですよ。違いますよ、あの方々は。

 

《第4回》ここまで

次回につづく「《第5回》地域コミュニティとコミュニケーションの昔と今」

【THE座談会3】
第7回まで順次アップしていきますので、引き続きご覧ください。
《第1回》 座談会メンバー、それぞれのまちの今
《第2回》 ライフスタイルの変化と交通の利便性の関係
《第3回》 まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方
《第4回》 モノやコト、居住空間をシェアするということ
《第5回》 地域コミュニティとコミュニケーションの昔と今
《第6回》 エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション
《第7回》 計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく

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THE座談会 3《第3回》まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方

《第3回》まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方

《辻井》
交通が便利でも住むだけではしょうがない。ご飯を食べるところとかはどうですか。

《宮坂》
問題はそこです。確かに食べるところはあるんです。琴似というまちは、昔から飲み屋街で、そういうことで有名なので、夜のそういうところは元気で夜の宴会には困らないのが、お昼のランチが…。

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《辻井》
ランチが弱い。

《宮坂》
オフィスの方たちも皆さんおっしゃるのですけれども、どこか美味しいところはないですかと聞かれます。ここ!とお薦めできるところがなかなかなくて。
ラーメン屋さんと焼肉屋さんは、琴似は結構多いのですが、お昼ちょっとというとなかなかと皆さん感じているようです。

《辻井》
僕と市橋さんは、夜は地域に寝に帰るタイプですよね。

《市橋》
そうです。我が家の周辺は夜めちゃめちゃ静かですよ。本当に静かです。
昼間は学校がありますし、賑やかといえば賑やかです。夜は本当に静かです。

《辻井》
保坂さんの辺りは、微妙かなと思いますが。まちに近いし、札幌駅周辺で夜一杯やっても歩いて帰られる範囲かなと思うのですけれども。

《保坂》
うちは、本当に夜も札幌駅へ出ればすぐです。ただ、私に関しては創成川を渡ってしまうので、創成川を渡るとそれこそオフィスが今あまりないので、創成川の西側にはたくさんあるのですけれども、渡ってしまうと住宅が多いかなと思います。ランチに関しては、全くない。コンビニエンスストアさんも、夜は仕事帰りの人が入るのだけれども、昼間は売り上げが全然なくてということをよくおっしゃっていますね。
マンションが非常に多いので、本当に共働きの方が多くて、それこそサービス業という面では少ないかなと思います。本当に住居だけという印象が強いです。

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《辻井》
施設とか住宅だけができてもなかなか元気にならなくて、先程おっしゃったようにエリアとして必要な物が整っていくと、ずっと元気が世代交代しながら続くのかなと思ったところです。
ところで、マンションは、駐車台数をある程度確保するのが通常と思いますが、今進めていらっしゃる都心とか地下鉄沿線のマンションですと、交通が便利だといって、割りと居住者の高齢化が進んでいて、そのため今、駐車スペースは余りいらないというような動きも出ているということを耳にしますけれども、その辺は実感としてどうですか。

《市橋》
新築で売る時には、どこのデべロッパーさんも総戸数に対して必ず一台分確保する。そうじゃないと、なんとなくイメージが悪いじゃないですけれども確保して売りたいという思いがあるみたいです。基本、敷地がないところは機械駐ですとか、色々入れて、一家に一台は持てるスペースがあるということを前提とされているのです。
それが竣工して3年、5年後に管理会社さんにお話を聞くと、立地の良い場所はかなり駐車場は空いていると。最初は持たれていた方も、歳を重ねられて、この立地であれば別に車がなくてもいいね、公共の交通機関で十分だねと変化が起きているようです。

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《辻井》
歩いて暮らしちゃうという感じ。

《市橋》
どこかへ行くにもJRですとか地下鉄があるしという考えで、車を手離しても別にいいねということで手離される方が結構増えていると。逆にマンションの組合さんとしては、空いた分のロードヒーティングの駐車料金も管理費になっている。

《辻井》
負担のコストパフォーマンスが悪くなるということですか。

《市橋》
その分、予定した収支が合わなくなるというもので、その空いているスペースをこれからどう活用していくかということを結構考えられていますね。

《宮坂》
確かにマンションは居住者の移動で空きがでますね。うちの方は、オフィスを入れたのでオフィスの方が借りてくれて。

《辻井》
それは安定的にということですね。

《宮坂》
安定的かどうかはわからないですけれども、とりあえずオフィスとか、他の用途で埋めて、今のところは満室、空いているところはないですね。

《辻井》
良いやり方ですね。
保坂さん、大きく頷かれていましたけれども、今やっていらっしゃるお仕事とか、その辺の中でも実感としてそうですか。

《保坂》
仕事というよりもやはりいろんなマンションを見ていまして、今、うちの住んでいるマンションも竣工してからずっと9年くらい収支があっていないです。
また、最近のところだと駐車場を少し減らしているところも見受けられるのかな、何軒かそういった新しい新築マンションもあったり。
賃貸マンションを検討されている方も多くいらっしゃるので、車をなかなか持たない世代に私が入っているということもあるのですが、30代・20代前半だと車を持つ余力がない方が非常に多くて、どんどん小さなエリアで過ごしていくというのがトレンドになっている。本当にそれが主流になっているのかなといったところを駐車場問題とかでよく感じますね。

《辻井》
昔は、一世帯に2台とか、そういうところもあったけれども、特にまち中で住まうというスタイルが今は結構増えてきているとおっしゃった通り、暮らしぶりが変わるので車の扱いもかわる。場合によっては、車は諦めて、いざという時にはカーシェアとかレンタカーで済ませるという。

《宮坂》
うちのところもレンタカーに入っていますし、カーシェアにも入っています。両方入っています。
マンションに入る方は車を破棄してマンションに入られるという方が結構、特にうちのところはJRつづきですし、地下鉄までもそれほど距離はない。冬場はアレでしょうけれども。

《辻井》
まちをリノベーション、手直ししていくためには暮らし方を支える仕組みが駐車場やなにかに如実に表れてきているのだなという気がしました。
保坂さんは車を持つまで余力がないという表現をされましたが、車を保有する優先順位が変わっている。それとも余力がない、どちらの傾向が強いと感じますか。

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《第3回》 ここまで

次回につづく「《第4回》 モノやコト、居住空間をシェアするということ」

【THE座談会3】
第7回まで順次アップしていきますので、引き続きご覧ください。
《第1回》 座談会メンバー、それぞれのまちの今
《第2回》 ライフスタイルの変化と交通の利便性の関係
《第3回》 まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方
《第4回》 モノやコト、居住空間をシェアするということ
《第5回》 地域コミュニティとコミュニケーションの昔と今
《第6回》 エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション
《第7回》 計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく

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