連載企画 THE 座談会2《第2回》学生たち…受け身から働きかけに

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前回:第1回 まちなかの変化,人の変化

《第2回》学生たち…受け身から働きかけに ■■■■■■■■

《押野》 学生も輪の中に入って、学生ならでは、の意見も出ていたりするのですか。

《大場》 教育大の学生たちは、自分たちでできることをやりたいというスタンスで入ってきているので、この夏にイベントをやったときに彼らは、テント内でドジョウすくいのようなことを市民向けにやったりしていました。芸術系の学生もいるので、空き地の塀に絵を描いたりすることを手伝おうかとか。それらは授業の一環になっていて、単位をもらえるのだけれども。岡本さんのところの学生なども、そんな形でまちづくりに入ってくることは多くなっている気がしますね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA《岡本》 うちの研究室は、恵み野商店街の夏祭りに関わらせてもらって、今年で4年目でしょうか。夏祭りに来場する子どもたちが参加するゲーム企画を運営しています。地元商店街で夏祭りを担当しているのは熱い若手の人たちが中心になっています。その前にいた重鎮軍が世代交代するということで、交代されたことを機に本領発揮という感じになっているかなと思います。それまで、うまく回っていなかったという話になってしまうのか、遠慮していた、関心が低かった、という話なのかはわからないですけれども、結果として今、跡継ぎ世代というか、比較的若い人が中心に活動していることに関わらせてもらえているという状況です。その若手の人たちが立案するゲームは、毎年少しずつ工夫をこらしてグレードアップしています。参加する学生は毎年違うので、中身はグレードアップしながら、学生の面々は代わるという状態です。学生はより質の高いものにと意欲的ですね。

《押野》 やらされているというより、楽しんでいる感じですね。

《岡本》 ええ、見方を変えると、より楽しくなっていると思うのです。忙しくなってくるかもしれないですけれども、より楽しいところにきていると思うので、それはありがたいと思います。謎解き物語ゲームなのですが、今年は商店会の若手の人たちが、You Tubeにゲームのプロローグをアップして、ネット経由でもPRしていました。その物語に役者で出ていたのは僕の研究室のゼミの学生でした。演劇が好きでやっていれば別でしょうけれども、一生に一度あるかないかのことでした。やりたい人、やれる人が活躍できるようなまちにはなってきているのかなという認識はしています。

(森オブザーバー) 恵み野は商店街自体の歴史が30年ほどと若く、創業者も60代前後が多いと思われる。二代目が頑張っている店舗も少なくなく、また今の会長さんを軸とした役員の世代交代がうまくいった地域だろうと思う。世代交代をした役員の中に、岡本さんが紹介されたような新しいメディアを受け入れられる資質を持った人がいるということもポイントの一つ。岩見沢の例でもそうですが、新しいメディア、新しいツールをどう組み込んでいけるか。イベント的に人と接する、新しい人を巻き込むということだけではなく、商店街のノウハウとして蓄積していけることが重要で、恵み野商店街の場合はそこが上手くできたということだろうと思います。

《押野》 学生のOBも、卒業されてから俺はあの時にこれをやったんだけれども、今年はどうなっているのかなと思って手伝いに来る人がいたりしますか。

《岡本》 ジュースを差し入れに持って来る人はいますね。花壇整備のときには、インターロッキングを敷かせてもらったり、パーゴラの一部をつくらせてもらったりしました。そこは、結局、自分が手掛けた場所になるので、また来たいなと言って卒業していく学生が結構います。自分がどう関わるか、関わらせてもらい方、形に残るとか、そういうことは結構重要なのではないかという気はします。

《大場》 間違いなく高齢化や人口減少の影響は大きく、岩見沢もそうですが、そこの人だけでやろうとしてもなかなかできない状況に入っているので、大学生、企業の若い人や若い起業家など、新しい価値観や空気を運んできてくれる、そういう人たちと連携していかなければならない、という気がします。

《久新》 たとえば、そういうことを思っている商店街の人たちがいて、岡本先生のゼミに声をかけてお願いできないだろうかというアプローチがあると、どこでも行きますよという、そんな雰囲気はあるのでしょうか。

《岡本》 とりあえずお試しでということで、トライしてみる感じでしょうか。

《久新》 岡本先生のところでやっているような出張サービスのようなもの、まちに出て一緒にやっていきましょうということは、他の大学でも同じようなことはやられているものなのですか。

《岡本》 やられています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA《大場》 今、多いですよね。僕がすごいなと思ったのは、当別町、北海道医療大学です。北海道医療大学ボランティアセンター※「ゆうゆう24」という団体。元々は医療大の学生ボランティアグループの活動のための場だったのです。それが、すごい人数で関わるようになって、学生自体がNPOをつくって、学生のOBが理事長にまでなってやっているのです。福祉・介護がメイン、特に障害児。すごいですよ。100人以上が関わっているし、去年、新しい人材を募集して、役場に入った数より多い人を雇ったという。それも全国から学生が応募してきて、10倍だそうです。福祉・介護の人材は、なかなか成り手がいないというけれども、あそこは全国から集めているのです。それだけの活動をしているということですね。医療大学や市もバックアップしているし、ああいう活動はなかなかいいと思います。そのようなことが起きつつあるということです。

※「ゆうゆう24」

 ボランティアセンター設立のきっかけは、北海道医療大学横井教授が当別町長に対して町内にボランティアの拠点を設置することの必要性を説き、働きかけを行ったことによる。ゼミの活動やサークル活動を通してボランティア活動を行っていたが、活動場所は当別町にはなく、札幌市や江別市等、近隣の町を対象としていた。人口2万人の町に1千人の学生がいるにもかかわらずまったく交流がない状態であった町は、学生の活動を社会的資源として活用することで地域の活性化につながるのではないかという意識を持った。この背景には中心商店街が衰退化し、何からの形で活性化が必要と模索していたこともあった。町は補助金を支出、地元に活動拠点である「当別町青少年活動センターゆうゆう24」を設立、平成15年から活動を開始。平成17年、NPO法人取得。平成23年、「特定非営利活動法人ゆうゆう」に名称変更。平成25年、「社会福祉法人ゆうゆう」設立。活動分野:子ども、障害者、高齢者、福祉、地域・まちづくり、文化・芸術の振興、就労支援・労働問題 http://yuyu24.com/index.html


《岡本》 そういうことが、結局ネットやSNSなどで伝わるのです。そこが今の強いところなのではないかという気がします。しょんぼりしてしまうのではなくて、誰でも気軽に活動をPRできるというのは大きいのでしょう。やる気があるところには人が集まるのです。

《押野》 それが相乗効果になっているというところなのかなと思います。

《岡本》 逆に、そういうことをやらないとおいていかれるのではないかという。

《大場》 明らかに昔のまちづくりと変ってきている。でも、そうやっていかないとまちづくりはできていかないということです。

次回につづく 「《第3回》現場を通して感じる人口減少」

 

第1回 まちなかの変化,人の変化
第2回 学生たち…受け身から働きかけに
第3回 現場を通して感じる人口減少
第4回 まちのコンパクト化とは?
第5回 暮らし方の選択肢は多様である方がよい
第6回 これからのまちづくりに必要なこと~キーワードは「ごちゃ混ぜ」
第7回 混ざる、混ざり合うことが、はじめの一歩
第8回 北まちが担っていくべき役割

 

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