連載企画THE座談会2《第4回》まちのコンパクト化とは?

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前回:第3回 現場を通して感じる人口減少

《第4回》まちのコンパクト化とは? ■■■■■■■■■■

《大場》 テーマ3に入ってしまうのかもしれないけれども、まさに人口減少だとか人口構造の変化というものに対応するとしたら、僕はコンパクトなまちづくりをするしかないと思うのです。そういう意味では、まち中に住宅、住む場所をつくっていくということは正解だとは思います。
ただ、政策的にコンパクト化を無理やりやってしまい、上手くいかない場合もあります。青森はコンパクトシティの先駆けですが、駅前に再開発ビルをドカンとつくり、郊外の大規模店舗は規制する。そういう政策的なことをやりました。

《押野》 なるほど、その後どうなっているのですか。

《大場》 「アウガ-AUGA」という駅前の再開発ビルに無理やり商業施設を入れようとしたけれども、結局補助金が膨らんでしまった。建設コストが185億で、そのうち85億ぐらいは補助金をもらっているのだから。ものすごい補助金頼みです。当初予定していた大規模店舗が出店せず、市場、専門店のほか図書館などを入れたりしたのだけれども、結局赤字続きということで専門店は歯抜け状態です。
調査では年間600万人も来ているというのだけれども、それでも赤字だというから事業計画に無理があったのだと思われます。
結局、この間、副市長2人が辞めて、もうじき市長も辞めるという話です。(平成28年10月、引責辞任を表明)
だから、コンパクトシティにするのはいいのだけれども、もう少し民が主体で、補助金頼りではないまちづくりをしていったらどうかなと思うのです。
そういう意味では、僕は民が主体の住宅導入はいいと思っています。

《久新》 今、札幌でも、まちなかの再開発は住居系ありきです。商業だけで全部埋められるかといったら埋められないので、どこの再開発も住居系頼み。それが求められている形なのだと思いますし、それでいいのではないでしょうか。

《大場》 僕は、コンパクトのまちづくりの方向性はいいと思うのだけれども、やり方を間違えると、それこそ昭和の箱物行政のようなことになってしまうから、その辺は難しいですね。

《押野》 皆さんのおっしゃるコンパクトシティの概念というものは、どういうものを指しているのですか。それぞれ違うのかもしれないけれども。

《大場》 僕が思っている一番の概念は、高齢者がこれだけ増えてきているから、そういう人たちにとっては、コンパクトシティは歩いてなんでもできるということが基本だと思っています。
歩ける距離の中でできる。そういう仕組みをつくっていくということ。それを無理やりやってしまうと歪みが起きるけれども、そのようには思っています。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

《押野》 同じく岡本さんと久新さんもお願いします。

《岡本》 僕が最近思うのは、先程郊外のマンションのお話を伺いました。なぜお話を聞いたかというと、美しが丘に巨大なマンションがドンとあって、そのロードサイドに薬局とかスーパー、食事ができるところ、大きい本屋もある。そのように考えると、都心からだと地下鉄・バスを乗り継いで遠いのですが、ただ、都心に出ようと思わなければ、あそこでかなりコンパクトな暮らしができるのです。
つまり、地下鉄とか鉄道とかではなくても、その土地で今まで形成されてきた人口が張りついていることによる商業系などの張りつきが維持されるのであれば、そこはそこで暮らしやすいコンパクトなまちというものが成立するのではないかと思い始めています。
今、立地適正化計画などで地下鉄駅周辺になるべく集めようというような話になりつつあったり、集まってきたら得だよというようなインセンティブの雰囲気がありますけれども、そうではない、それ以外の集まり方。今の状態でわりと便利に住んでいる様子があるところは、そこはそこで大切にしてあげるという手もあるのではないかと思っているのです。
だから、必ずしも地下鉄・鉄道・市電という札幌の軌道系といいますか、そういうものに寄り添わなければコンパクトではないという話ではないと思い始めてはいます。

《押野》 昔の大規模団地には、スーパーや生活利便機能が1階にあって、その周りに住棟が建っていて団地が形成されていた。昭和40・50年代のように。今のお話を聞いているとそういう形態が成り立つのではないかというイメージが浮かんだのですけれども。

《岡本》 多摩などは、大きいマンションの1階に下駄履きで個人商店を入れたりしていました。でも、行って見てきたのですけれども、そういうのは全部歯抜けになっているのです。
そうではなくて、絶対戸建に住みたいという人は減らないと思うので、車で人が集まってきて、ある程度の範囲の商業圏を見据えつつも、わりとそこの近くの団地の人は歩いて行けるという、そういうスタイルは北海道ではありなのではないかと思っています。

《大場》 団地の多くは、同世代がそのまま年をとって、団地自体が年をとっていくというような構造になっているから、なんとか多世代が住むような仕組みになっていると今の話は成立していくのだと思います。

《岡本》 流通といいますか、分譲だった住戸が入れ替われるようになると、そこそこの広さも確保されているし、設備や、間取りなどもファミリー向けにゆとりのある状態で、そこを転々と選べるというところになっていくともっと現実味が出てくるのかなという気がします。

《押野》 住み替えみたいな?

《岡本》 ただ、住宅すごろくのような話は古いと言われ始めていて、今は難しいなと思っていますけれども。

《久新》 パターンはいろいろあっていいと思うのです。
駅近くでの利便性の良いコンパクトシティというものがあっていいし、岡本先生が言うような形もありだと思います。もしかしたら、他のパターンもあるかもしれない。歩いて行ける距離じゃないと、という人もいれば、車でどこでも乗りつけられるというような利便施設が集積されていて車で行けるのなら、という話もあるのではないかと思うのです。いろいろなパターンを考えてみたほうがいいと思います。
誰もが便利な生活をしたいかといったら、そんなにギュッとなったのがいいという人ばかりではないです。多少不便でもゆったりしているほうがいいという人もいると思うので、いろいろなパターンがあるほうがいいと思います。

次回につづく「《第5回》暮らし方の選択肢は多様であって欲しい」

 

第1回 まちなかの変化,人の変化
第2回 学生たち…受け身から働きかけに
第3回 現場を通して感じる人口減少
第4回 まちのコンパクト化とは?
第5回 暮らし方の選択肢は多様である方がよい
第6回 これからのまちづくりに必要なこと~キーワードは「ごちゃ混ぜ」
第7回 混ざる、混ざり合うことが、はじめの一歩
第8回 北まちが担っていくべき役割

 

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