連載企画THE座談会2《第5回》暮らし方の選択肢は多様である方がよい

前回:第4回 まちのコンパクト化とは?

《第5回》暮らし方の選択肢は多様である方がよい ■■■■■

《押野》 それは暮らし方の多様化というようなことですか。

《久新》 そうだと思うのです。僕は、南区に住んでいます。今、岡本先生が言ったような美しが丘のイメージは、川沿のあたりには一通り揃っていて、そこだけで生活しようと思ったら生活できる。そこには、歩いては行けないけれども車があれば全然問題ない。5分ぐらいで全部回れるから、あれはあれで一つのコンパクトシティの形になっているといったらなっているのではないかという気もします。

ただ、僕も妻も車を運転するから便利だけれども、高齢者になってきて運転できなくなってきたという人が周りにいて見ていると、やはりつらそうなのです。バスで行くとか、一人乗りの電動乗用車で行っているような姿も見る。雪の中をタイヤの付いた買い物籠みたいな物を引っ張っているおばあちゃんを見ていたら、つらいよなと思うから、そういう人たちにとってはもっとギュッとなったところがいいのだろうと思う。そういうところは、三世代で生活できて、誰かがサポートするような生活スタイルができたらそれはそれで解消できるのかもしれないです。

《大場》 北ノ沢にお住まいの上田先生も同じことを言っていました。知っている人がいなくなっていく。みんな下におりていくと。上田先生は、娘さん夫婦がそばにいるから車で行けるけれども、そうではない人はつらいんだよねと言っていました。

《久新》 そういう人もいるかと思えば、年になっても車を運転できるおじいちゃん・おばあちゃんがいて、普通に生活して楽しくやっている人もいます。60代後半ぐらいの世代が多くなった住宅街だけれども、人が少なくなっているから土地は歯抜けなのです。家、家、家、空き地、家、家みたいに。その空き地を隣地の方が買って、畑にしたりドッグランをつくったり。こっちの人とこっちの人とで間の土地をシェアして、片方は畑、片方は駐車場にしているとか。みんな優雅に住んでいるなと思う。

不便な場所だからそういうゆとり的土地があって、それを楽しげに使っているという生活スタイルはありだと思う。便利さと不便さ、よいところの按配はそれぞれ人によって違うのだろうから、そういうものは残すべきなのではないかと思います。

《岡本》 今後、決定的に何かが生じるとしたら、僕が思っているのは、北海道は雪が降るので難しいかもしれないですけれども、自動運転車が随分盛り上がってきています。あれだったら乗っかれば行ってくれるということになるので、高齢者だから運転できないという条件がなくなるかもしれない。

《大場》 そうなれば変わるよね。

《岡本》 相当変わると思うのです。まちの形とか 今のコンパクトシティ云々という話が変容するのかもしれないと思ったりするのです。でも、定着するということになると、実際に一般的に使えるようになるのは20・30年という話をされているので、人も変わりますからどうなるかわからないですけれども、そういうところも考えると都市はおもしろいなと思います。

《大場》 富山市も一生懸命コンパクトシティを頑張っていて、視察も多いようですね。LRT(電車)なんかも走らせて公共交通に乗りましょうと頑張っているけれども、思ったほど住民は乗らないとも聞いています。自動車の保有台数率は高い。なかなか難しいらしいです。

《岡本》 それに戸建所有率もすごく高いはずですね。家を持ってなんぼみたいな。

《押野》 富山のまちの特徴は、「団子と串」じゃないですか。団子のところまで家から車で行って、車を置いて公共交通に乗るということをイメージしていましたが、そうではないということですね。

《大場》 でも、住んでいないとだめなんですよね。全国で中心地が非常に賑わっているのは、高知と長崎だと聞きます。なぜかといったら、まちなかに人が住んでいるからだそうです。だから古い商店街も持っているのでしょう。住むことなのです。

《久新》 行ったことがないからイメージがわからないですけれども。

《押野》 長崎は、山が多くて平地が少ないから、おのずと集まらざるをえないような。

《大場》 建てるところが決まってくるのだろうね。あそこは斜面にまで建っていますからね。

《押野》 一回行ったことがあるのですけれども、すごいです。ここをよくバスが通れるなみたいなところでも、普通に通っている。

《大場》 それを大々的に変えたのは神戸ですね、削って。

《久新》 そういうことなのですね。まちなかに人は住んでいないですものね。札幌とあまり変わらないですものね。

次回につづく
「《第6回》これからのまちづくりに必要なことキーワードは『ごちゃ混ぜ』」

 

第1回 まちなかの変化,人の変化
第2回 学生たち…受け身から働きかけに
第3回 現場を通して感じる人口減少
第4回 まちのコンパクト化とは?
第5回 暮らし方の選択肢は多様である方がよい
第6回 これからのまちづくりに必要なこと~キーワードは「ごちゃ混ぜ」
第7回 混ざる、混ざり合うことが、はじめの一歩
第8回 北まちが担っていくべき役割

 

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