THE座談会 3《第3回》まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方

《第3回》まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方

《辻井》
交通が便利でも住むだけではしょうがない。ご飯を食べるところとかはどうですか。

《宮坂》
問題はそこです。確かに食べるところはあるんです。琴似というまちは、昔から飲み屋街で、そういうことで有名なので、夜のそういうところは元気で夜の宴会には困らないのが、お昼のランチが…。

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《辻井》
ランチが弱い。

《宮坂》
オフィスの方たちも皆さんおっしゃるのですけれども、どこか美味しいところはないですかと聞かれます。ここ!とお薦めできるところがなかなかなくて。
ラーメン屋さんと焼肉屋さんは、琴似は結構多いのですが、お昼ちょっとというとなかなかと皆さん感じているようです。

《辻井》
僕と市橋さんは、夜は地域に寝に帰るタイプですよね。

《市橋》
そうです。我が家の周辺は夜めちゃめちゃ静かですよ。本当に静かです。
昼間は学校がありますし、賑やかといえば賑やかです。夜は本当に静かです。

《辻井》
保坂さんの辺りは、微妙かなと思いますが。まちに近いし、札幌駅周辺で夜一杯やっても歩いて帰られる範囲かなと思うのですけれども。

《保坂》
うちは、本当に夜も札幌駅へ出ればすぐです。ただ、私に関しては創成川を渡ってしまうので、創成川を渡るとそれこそオフィスが今あまりないので、創成川の西側にはたくさんあるのですけれども、渡ってしまうと住宅が多いかなと思います。ランチに関しては、全くない。コンビニエンスストアさんも、夜は仕事帰りの人が入るのだけれども、昼間は売り上げが全然なくてということをよくおっしゃっていますね。
マンションが非常に多いので、本当に共働きの方が多くて、それこそサービス業という面では少ないかなと思います。本当に住居だけという印象が強いです。

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《辻井》
施設とか住宅だけができてもなかなか元気にならなくて、先程おっしゃったようにエリアとして必要な物が整っていくと、ずっと元気が世代交代しながら続くのかなと思ったところです。
ところで、マンションは、駐車台数をある程度確保するのが通常と思いますが、今進めていらっしゃる都心とか地下鉄沿線のマンションですと、交通が便利だといって、割りと居住者の高齢化が進んでいて、そのため今、駐車スペースは余りいらないというような動きも出ているということを耳にしますけれども、その辺は実感としてどうですか。

《市橋》
新築で売る時には、どこのデべロッパーさんも総戸数に対して必ず一台分確保する。そうじゃないと、なんとなくイメージが悪いじゃないですけれども確保して売りたいという思いがあるみたいです。基本、敷地がないところは機械駐ですとか、色々入れて、一家に一台は持てるスペースがあるということを前提とされているのです。
それが竣工して3年、5年後に管理会社さんにお話を聞くと、立地の良い場所はかなり駐車場は空いていると。最初は持たれていた方も、歳を重ねられて、この立地であれば別に車がなくてもいいね、公共の交通機関で十分だねと変化が起きているようです。

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《辻井》
歩いて暮らしちゃうという感じ。

《市橋》
どこかへ行くにもJRですとか地下鉄があるしという考えで、車を手離しても別にいいねということで手離される方が結構増えていると。逆にマンションの組合さんとしては、空いた分のロードヒーティングの駐車料金も管理費になっている。

《辻井》
負担のコストパフォーマンスが悪くなるということですか。

《市橋》
その分、予定した収支が合わなくなるというもので、その空いているスペースをこれからどう活用していくかということを結構考えられていますね。

《宮坂》
確かにマンションは居住者の移動で空きがでますね。うちの方は、オフィスを入れたのでオフィスの方が借りてくれて。

《辻井》
それは安定的にということですね。

《宮坂》
安定的かどうかはわからないですけれども、とりあえずオフィスとか、他の用途で埋めて、今のところは満室、空いているところはないですね。

《辻井》
良いやり方ですね。
保坂さん、大きく頷かれていましたけれども、今やっていらっしゃるお仕事とか、その辺の中でも実感としてそうですか。

《保坂》
仕事というよりもやはりいろんなマンションを見ていまして、今、うちの住んでいるマンションも竣工してからずっと9年くらい収支があっていないです。
また、最近のところだと駐車場を少し減らしているところも見受けられるのかな、何軒かそういった新しい新築マンションもあったり。
賃貸マンションを検討されている方も多くいらっしゃるので、車をなかなか持たない世代に私が入っているということもあるのですが、30代・20代前半だと車を持つ余力がない方が非常に多くて、どんどん小さなエリアで過ごしていくというのがトレンドになっている。本当にそれが主流になっているのかなといったところを駐車場問題とかでよく感じますね。

《辻井》
昔は、一世帯に2台とか、そういうところもあったけれども、特にまち中で住まうというスタイルが今は結構増えてきているとおっしゃった通り、暮らしぶりが変わるので車の扱いもかわる。場合によっては、車は諦めて、いざという時にはカーシェアとかレンタカーで済ませるという。

《宮坂》
うちのところもレンタカーに入っていますし、カーシェアにも入っています。両方入っています。
マンションに入る方は車を破棄してマンションに入られるという方が結構、特にうちのところはJRつづきですし、地下鉄までもそれほど距離はない。冬場はアレでしょうけれども。

《辻井》
まちをリノベーション、手直ししていくためには暮らし方を支える仕組みが駐車場やなにかに如実に表れてきているのだなという気がしました。
保坂さんは車を持つまで余力がないという表現をされましたが、車を保有する優先順位が変わっている。それとも余力がない、どちらの傾向が強いと感じますか。

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《第3回》 ここまで

次回につづく「《第4回》 モノやコト、居住空間をシェアするということ」

【THE座談会3】
第7回まで順次アップしていきますので、引き続きご覧ください。
《第1回》 座談会メンバー、それぞれのまちの今
《第2回》 ライフスタイルの変化と交通の利便性の関係
《第3回》 まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方
《第4回》 モノやコト、居住空間をシェアするということ
《第5回》 地域コミュニティとコミュニケーションの昔と今
《第6回》 エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション
《第7回》 計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく

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THE座談会 3《第2回》ライフスタイルの変化と交通の利便性の関係

《第2回》 ライフスタイルの変化と交通の利便性の関係

《辻井》
さて、一巡したところで、仕事やまちづくりの面からお話を伺います。
市橋さんはマンションデベロッパーを対象に事業提案をやっているということですが、マンションニーズなどについて今の状況を教えていただけますか。

《市橋》
ここ近年、リーマンショック以降は、供給戸数は非常に落ち込んでいる。今現在、ここ数年でいくと大体札幌市内1,500戸前後ですね。

《辻井》
リーマン以前の頃はどれくらいですか。

《市橋》
おそらく2,000戸以上はいっていましたね。ピークは、確か4,000戸くらいはあったと思います。

《辻井》
半分くらい落ちてきているのですね。

《市橋》
今は1,500戸前後になっていますね。今、年間に20から25棟くらいマンションが建つのですけれども、ほぼ半分は中央区ですね。

《辻井》
まだ中央区がのびていく状態ですか。

《市橋》
最近は、琴似も非常にマンション傾向が多いですね。目立っています。手稲や新さっぽろですとかは、今年2物件くらい出たかなという感じです。

《辻井》
それは、都心の中で、言い方は悪いですけれども、旨みのあるところが少なくなってきているということでもあるのでしょうか。

《市橋》
限られたパイの中で20社くらいのディベロッパーさんがいらっしゃいますからパイの取り合いになっていると思うのです。大体皆さん知っているような情報がベースになっているので、狙いが重複しますので、そこから少し出ようという傾向も出てきているかもしれないです。

《辻井》
琴似は旨みのあるところが増えてきているのですか。

《宮坂》
そうですね。本当に多いですね。

《市橋》
案件が多いですよね、琴似。

《辻井》
地域の人口は伸びているのでしょうか。
人口が伸びているということは、まちの力みたいなもの。アクセスが良く買い物が便利とか、教育が整っているとか、魅力度が高くなっているのですか。
その辺、ずっと琴似のまちづくりに関わってきてどうですか。多分、住宅だけをやればいいという話ではないと思うのですが。

《宮坂》
伸びていますね。確実に。
今、住宅がすごく増えてきているので、そろそろ住宅以外の施設をちゃんと整えていかなければ、住宅がかえって空いていくのではと、私個人としては思っています。
ただ、再開発で収支、お金のことを考えますと、住宅以外で何があるのというところが難しいところだと思います。手っ取り早いのは住宅になってしまうという。

《辻井》
逆に住まいの環境とかが魅力に繋がっているのでは?琴似は元々交通のポテンシャルが非常に高いところが大きいと思いますね。

《宮坂》
たとえば、私は東京にしょっちゅう行くのですけれども、琴似から千歳まで直行なのです。再開発エリアのマンションに住んでいらっしゃる方は、空中歩廊があるので、それこ
そ冬は東京の靴のままコートもなく東京のままの恰好でマンションに行けるという、その利便性は札幌では殆どないかなと思っています。

《辻井》
今、琴似の例も出していただきましたが、都市が縮むのではないかという時代に差し掛かってきて、札幌などはまちの機能が地下鉄沿線にどんどん集約されて、デベロッパーの動きも、都心と地下鉄沿線に攻めていくというような流れが益々加わってくるのかな?というふうに伺っていました。
保坂さんは、デベロッパーさんと住宅以外も含めていろいろなお仕事をされていると伺いました。その辺のトレンドとかお客さんのニーズを聞かせていただけますか。

《保坂》

私は2009年のリーマンショック後に入社しまして、その頃は、やはり世界的に景気が悪いせいか、あまり工事物件はなかったのです。
やはり最近は、サービス付き高齢者住宅が非常に物件としては多いです。特に、先程もおっしゃられたように地下鉄沿線ですとか、札幌駅からJRで数駅の利便性の良い所に建てられる傾向が強いかなと思います。
あとは、やはり病院さんですね。病院も地下鉄ですとか利便性の良いところに、大きな土地を確保して少し大きくしたいというお客さんが多いですね。

《辻井》
それは増床したいという。

《保坂》
そうですね。利便性の良い場所で増床したいというお客様も多いです。
少子高齢化とは逆行してしまうのですけれども、保育園ですとか幼稚園、子ども園の新設が非常に多いのは最近のトレンドかなと思います。共働きが普通になっていますからね。

《辻井》
たとえば、その保育園にしても地下鉄沿線とか立地の良いところを求められるのでしょうか。

《保坂》
新規物件ではそういう傾向はあるかと思いますが、保育園に関しては、割りと今ある物の増設になますね。新設というよりも昔からあったものを新しく、大きくしてという形が多いので。そういう意味では、地下鉄沿線という流れとは逆行しているのかなと思います。

《辻井》
市橋さんの扱われる物件は、大体新築が多いというお話しも伺いましたけれども、マンションの老朽化とかが社会問題として出てきていますけれども。営業先としては、古いマンションのリノベーションと新築マンションの割合というのは。

《市橋》
おそらく新築10対に対して中古0に近いくらい。マンションのリノベーションというのは殆どないですね。ガスに仕事が来ていないだけかもしれないです。勝手な判断で言ってしまいました。

《辻井》
まち中ですと都市ガスさんの守備範囲の話ですから、実際に意外と進んでいないのかもしれませんね。マンションのリノベーションはどうですか。

《市橋》
マンションのリノベーションは、あまり聞かないですね。
あるデベロッパーさんは、賃貸マンションを一棟買い取って、未入居のお部屋からリノベーションをかけて、そして分譲で売るということはされていますけれども、あまり多くはないですね。

《辻井》
琴似のスガイボウルが別の用途に変わったとか。

《宮坂》
スガイボウルさんが出られまして、娯楽施設ではなくて、それこそうちの主人が関わったのですけれども、結局、住まいだけだと夜の人口が増える。昼も人口が増えるためには企業さんに来ていただいてオフィスビルにするということを主人が考えまして、スガイボウルさんの後に札幌市の西市税局とAVCテクノロジーさんに入っていただいたり。新しいところの一番最後に実施した再開発は、東芝さんに入っていただいて。そのビルには、それこそ先程おっしゃいましたけれども、保育園とか子供の英会話教室とか事務所系とか、そういう系統にも色々入っていただいて、そういう面では多様化してきているのかな。

《辻井》
すごいですね。

【THE座談会3】

次回につづく「《第3回》 まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方」

《第1回》 座談会メンバー、それぞれのまちの今
《第2回》 ライフスタイルの変化と交通の利便性の関係
《第3回》 まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方
《第4回》 モノやコト、居住空間をシェアするということ
《第5回》 地域コミュニティとコミュニケーションの昔と今
《第6回》 エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション
《第7回》 計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく

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THE座談会 3《第1回》座談会メンバー、それぞれのまちの今

■開催趣旨
「北まちブログ THE座談会」では、各専門分野で活動されている会員の皆様から、北まちの活動テーマ『まちの中心のあるべき姿を考える』について、それぞれの経験を通じ日頃よりお考えになられているご意見や思いなどを伺い、数回に分けて掲載しています。
平成29年12月、3名の方にお集まりいただき“まちのリノベーションをかんがえる”と題し「THE座談会3」を行いました。その内容を会員のみならず、皆様にとって『まちの中心のあるべき姿を考える』ヒントとしていただくとともに、今後まちづくりに関わろうとする方々の手がかり、足がかりとしてもお役立てていただけることを期して、今回から7回にわたり連載いたします。

《第1回》 座談会メンバー、それぞれのまちの今

《辻井》
北まちの情報広報関連事業部会・副部長の辻井と申します。よろしくお願いします。
お寒い中をお集まりいただきどうもありがとうございます。
今日は、まちのリノベーションを考えるということでお三方にお話を伺っていきたいと思います。
北まちの年間の全体のテーマが、「まちのあるべき中心を考える」ということで、まちのあるべき姿を考える時に、エリアリノベーションという考え方が最近注目されているということで、今回の座談会ではそういった面を中心にお話を伺っていきたいと思います。早速、市橋さんから自己紹介をよろしくお願いします。
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Renovation= 建築物ではリフォームよりも大掛かりに修復し機能更新すること。また、〈…の〉元気を回復させる、〈…を活気づける〉という意味でも使われる
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それぞれのまちについて、思い出や期待も交えながら

《市橋》
北海道ガスの市橋といいます。よろしくお願いします。
仕事の概要ですが、デベロッパーさんが分譲マンションを建てる時に熱源としてガスと合わせて電気を使っていただきたいということでデベロッパー様に提案させていただいております。
住まいは、札幌市厚別区の方です。最近、趣味といいますか、マイブームといいますかゴルフが非常に楽しくなってきて、はじめて7・8年が経つのですけれども、昨年、ゴルフが楽しいなと初めて思ったのです。年間15回くらい行っているのですが、今年も存分に楽しみたいと思います。
《辻井》
北まちもゴルフコンペがあるそうです。
《市橋》
1回参加させていただいたのですけれども、今年は積極的にいろいろなところに参加していきたいなというふうに思っております。
《辻井》
マイブームまでありがとうございます。
では、保坂さん、お願いします。
《保坂》
伊藤組土建営業部の保坂と申します。
入社8年目で、その間2年間育児休暇をいただき、営業部に配属されて2年目になります。ゼネコンの営業マンで、女性は市内でまだは少ないのですけれども、上司のアシスタント的な役割をしながらゼネコンの営業マンはどういうお仕事をしているのだろうというところを勉強しながら働いています。
住まいは、札幌駅北口の北九条小学校付近です。最近の趣味は、子どもがいるので市内の公園を回ったりというところですね。よろしくお願いいたします。
《辻井》
では、宮坂さん、お願いいたします。
《宮坂》
宮坂美恵子と申します。
ウチは小さな会社なものですから、一応、代表取締役社長をしておりますけれども、小間使いみたいなものです。
住まいは、琴似のJRの近くです。振興社の仕事としては、不動産の賃貸・管理です。皆様ご存じかと思うのですけれどもJR琴似地区の再開発を、うちの母、うちの主人が第一期として札幌市の大きなJR再開発事業を、マンション棟と駅がつながる空中歩廊にしたのですけれども、私は、本当に最後の、主人が最後の時に癌になりまして、完成の2週間前くらいかな、ちょっと間に合わなくて…。そこの終盤だけなのです。私が関わったのは
《辻井》
宮坂さんには、代々琴似のまちづくりで力を注いでこられたお話をいろいろ伺いたいと思います。
《宮坂》
マイブームですけれども、私は殆ど東京人で、今も自宅は東京にございまして、実は母が去年103歳で他界したのですが、その介護のためにこちらに来て、なぜか仕事もすることになりました。8年間介護をしていましたので、仕事と介護で殆ど何もできない日々でした。母が亡くなりまして、ぼちぼち自分の好きなことも、ということで、琴似地区でスカイウォーク・イベントとかありまして、たまにそこで歌わせていただいたり…これからは旅行もしてみたいなと思っております。
《辻井》
自己紹介が遅れましたが、私は、普段は、都市計画とかまちづくりのコンサルティングをやっております。どちらかというと、まちづくりの方向性をつくる計画が中心ですが、都市の再生事業とかが4割くらいでしょうか。また、緑の基本計画といって市町村の公園緑地などを将来どういう緑の将来像を描いていこうというお手伝いをする仕事もやっています。
マイブームは、つい最近、猫を生まれてはじめて飼いまして、今は猫と遊ぶことが大変流行っております。どうぞよろしくお願いいたします。
自己紹介がてら、お住まいのことも伺いましたが、ちょうど4つの住宅のタイプということがわかります。まず、比較的まちではなくて郊外住まい。私も山のすぐ下です。そして、どちらかというとまち中住まい。もう一つは、私と保坂さんは集合住宅。市橋さんと宮坂さんは戸建てタイプということで、まち中と郊外、そして集合住宅と戸建てということで、それぞれの立場で暮らしぶりが違うお話も聞けるかなと思います。市橋さん、今、お住まいの周りの様子をもうちょっと。

市橋さん(右)と保坂さん

《市橋》
私は、厚別区で、住所でいうと上野幌に住んでいます。ちょっとイメージはつかないかもしれませんが、厚別陸上競技場がすぐ近くにある戸建て造成地区です。世代でいくと、私は41才なのでが、私の世代ではなくて私の親世代が多く住まわれている地域です。自分の自宅の道路を挟んで向かい側が小学校なのですけれども、徒歩1分もないような環境です。しかし、子供の数が圧倒的に少なくて、小学校1年生から6年生まで各学年1クラスしかないという学校です。
《辻井》
統廃合の話もあるのでは?
《市橋》
3年くらい前から統廃合の話が出て、今年に入って漸くまとまって、隣の小学校と合併するということになったのです。合併しても各学年2クラスか3クラスほどではないかと思います。それくらいに子供が少ない地域です。
しかし、我が家の向かいにある小学校を使わずに、違う小学校を利用するということも決まって、せっかく目の前にある小学校に通えなくなり、一体ここは何に使われるのかなと思っています…。
《辻井》
それこそコンバージョンしてということなのですかね。
今、裏腹に都心で起こっている事象で、中央区の小学校では人口が増えクラスが増えている。その反面、郊外ではそうした問題が出てきてという表裏かな思いました。
保坂さんは、まち中にお住まいですがどうですか。
《保坂》
私の家は、北九条小学校から徒歩2・3分のところです。幼少の時から札幌駅の北口付近に住んでいまして、私が小学生の時は、北九条小学校というと、1クラス20人で2クラスがやっとという、成り立つか成り立たないかくらいで、それこそ廃校になるんじゃないかなと思っていたのですけれども、今になって、ここ数年マンションが非常に急に立ち並びまして。何年か前に、うちの会社で改築工事を行ったのですけれども、それでも今足りなくて、計画としては、まだ出ていないと思うのですが、どうやら教室が足りないらしい。お子さんが通っていらっしゃるご近所さんから30〜40人の3クラスになっているという話を聞きまして。
ただ、また今後もマンションが建設される計画がどんどん持ち上がっているので、グラウンドも非常に小さい学校なので、増築するにしても、私の子供が通う時にはどうなってしまうのだろうと思っています。マンションが非常に多いために便利で快適ではあるのですけれども、集合住宅の隣家の人ですとかマンション内にどういった方が住まれているのかとか、地域の方々との接触が殆どないので、小さい子どもを育てているこの時期は少し不安を感じたり、不便なところを感じたりします。
《辻井》
ありがとうございます。
まち中の姿も色々変わってきている様子が今の話でわかりました。保坂さんが昔からお住まいのエリアは、昔は戸建てでしたか、それとも集合住宅ですか。
《保坂》
昔も集合住宅が多いエリアです。
《辻井》
昔からの馴染エリアですね。戸建て住宅にお住まいになろうという選択肢はあるのですか。
《保坂》
子供がいないときは今の利便性の良い都心の家を大変気に入っていたのですけれども、やはり人付き合いの無さですとか交通量の多さから来る危険、知らない方々が多いということで、子供が生まれてからは郊外の広いところに一軒家が欲しいなと、非常に検討している時です。
《辻井》
それぞれライフスタイルに応じた魅力があるということですね。ありがとうございます。
宮坂さん、今、琴似のJRの駅舎のすぐ近くにお住まいですが、まち中住まいはどうですか。
《宮坂》
私が子どもの頃、住んで育った場所なのですけれども、何十年か経って戻ってきて感じるのは、あまりにご近所づきあいがない。昔は、本当に周りの方も皆さん知っていて、何かあってもすぐにわかったような状態だったのです。30年経って帰ってきたら、知っている方もただ挨拶をするだけなのです。
先程申しましたけれども、東京に住んでいて戸建ての家、うちの近くは結構古い方が多くて皆さん近所付き合いが良いのです。特にうちには犬がいたので犬仲間のお付き合いがすごくて。いまだに東京に帰った方がご近所との挨拶が多い《笑》。
東京の家には、今は誰も住んでいないのですけれども、最近まで子供たちが住んでいて、私がたまに帰って、駅に着きましたと連絡しても「なかなか帰ってこない」というのです。家から駅まで10分足らずなのですけれども、そこでどなたかにお会いしちゃって、「あら、札幌から帰って来てたの」と長話しちゃって。でも、いま琴似に住んでいますと、そういうことが全く、殆どないのです。
《市橋》
意外ですね。

自分のまちについて語る宮坂さん(右)


《第1回》 ここまで

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【THE座談会3】
第7回まで順次アップしていきますので、引き続きご覧ください。
《第1回》 座談会メンバー、それぞれのまちの今
《第2回》 ライフスタイルの変化と交通の利便性の関係
《第3回》 まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方
《第4回》 モノやコト、居住空間をシェアするということ
《第5回》 地域コミュニティとコミュニケーションの昔と今
《第6回》 エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション
《第7回》 計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく

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【レポート】平成30年 新年交礼会

能戸会長挨拶

平成30年1月26日(金)中村屋旅館にて、一般社団法人北海道まちづくり協議会の平成30年新年交礼会を開催いたしました。

当日は会員のみならず総勢61名の皆様にご参加いただき、賑やかに交流することができました。協議会が設立して以来、最多となるご参加をいただきました。誠にありがとうございます。

岩崎理事乾杯

新年交礼会では始めに、当協議会の能戸会長から、新年のご挨拶がありました。

そのなかで、会員数が100団体・名を目前にしていること、協議会としてまちづくりに対する思いとともに、会員に対する質の高い事業に取組む必要性を改めて認識されていることなどについて、お話がありました。身の引き締まる思いを致しました。

新会員等からのスピーチ

交礼会の乾杯のご発声は、当協議会の岩崎理事から頂戴しました。会の途中には、平成30年度から新会員となる予定の方々からのスピーチならびに新会員からのスピーチがありました。

会場が手狭になりご参加くださった方々にはご迷惑をおかけしましたが、充実した大変楽しい新年交礼会となりました。

最後は岡本副会長の中締めにより、閉会となりました。

交礼会の様子

(レポート:武井計画 武井秀爾)

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平成29年度 まちづくり研修会

『まちの中心を考える~新たな再編・再生へのヒント』

平成29年11月8日(水)、北海道経済センター(札幌商工会議所)8階 大ホールにおいて、
『まちの中心を考える~新たな再編・再生へのヒント』をテーマに平成29年度まちづくり研修会が、多くの道内自治体の方々のご参加もいただき、ご講師も含め総勢92名と盛会に開催されました。

当日は、当協議会会長の能戸裕之からの挨拶から始まり、一般社団法人 日本メインストリートセンター 副代表理事 内藤英治様より、人口減少社会が進む中での『まちの中心』に必要な政策に関する基調講演をいただきました。

続いて、施策、取組事例として、中小企業庁 経営支援部 商業課 中小小売商業第一係長早川ちひろ様札幌駅前通まちづくり㈱ 代表取締役社長 白鳥健志様のお二人から、それぞれ取組みされている施策の事例についてのご講演をいただきました。

研修会後半は、早川様を除くご登壇いただいた皆様に加え、これまで道内各市町村の都市 マスタープランや中心市街地活性化等まちづくりに携わってきた㈱ドーコン 都市・地域事業本部総合計画部 参与 石塚雅弘様にご登壇きただき、北海道科学大学 未来デザイン学部人間社会学科 教授 濱谷雅弘氏を進行役として意見交換会を行いました。

内藤様のご講演内容は、「人口減少社会の『まちの中心』に必要な政策のあり方」と題して、人口減少社会が進む中、地域やまちの中心の再生に関するこれまでの法則が成り立たなくなっている現状を踏まえ、コンパクトシティ、限界自治体、空き家・空き地、稼ぐ力などをキーワードに、これからの「まちの中心」の再生に関して、地方自治体が取組むべきヒントして、「エリアマネジメント」の必要性や、世界先進都市の3千エリアへ拡大している「エリアマネジメント」の手法の例として、地方自治体や地域が持つ歴史的骨格をベースに、その自治体や地域の「拠点」と「メインなストリート」を結び、小さなエリアからマネジメントしていく「メインストリートプログラム」のご紹介がありました。

 

 

施策・取組み事例紹介では、中小企業庁 経営支援部 商業課 中小小売商業第一係長 早川ちひろ様より「商店街とまちづくり」と題して、全国及び道内の小売業や商店街の現状や商店街地域における「空き地、空き家」現状やその活用事例などを同庁が持つ豊富なデータを基にご紹介がありました。また同庁が本年7月に公表した「新たな商店街政策の在り方検討会中間取りまとめ」の概要説明では、今後の商店街の課題として自治体、商店街店主や住民が一体となったマネジメント組織体を編成し、地域に適合した商店街、中心地の形を見つけなければならないとのご見識のご披露がありました。ご講演の最後に同庁による北海道を始めとする全国の商店街への支援事例やまちづくりとの連携事例をご紹介いただきました。

 

 

つづいてのご講演は、札幌駅前通まちづくり株式会社 代表取締役社長 白鳥健志様より「札幌駅前通地区のエリアマネジメント~まちづくり会社とエリアマネジメントの関係~」と題して、官民一体となったまちづくりが評価され2017年度日本都市計画学会『石川賞』を受賞し、全国的にも注目を浴びている「札幌駅前通地区のエリアマネジメント」について、当該地区のエリアマネジメントの中枢を担っているまちづくり会社に視点を当て、その仕組みや役割などのご説明がありました。具体的事例として、同社が管理マネジメントしている「札幌駅前地下歩行空間(チ・カ・ホ)」や「札幌市北3条広場(アカプラ)」の事業概要やその事業収益を基に地域の新たなまちづくり活動に繋げて行く事業活動についてご紹介していただきました。

 

研修会後半の意見交換会では、当協議会の相談役でもある北海道科学大学 未来デザイン学部人間社会学科 教授 濱谷雅弘氏の進行役の下、㈱ドーコン 都市・地域事業本部総合計画部 参与 石塚雅弘様にもご登壇き、基調講演及び施策・取組み事例紹介の内容に基づき、ご講演いただいた皆様と共に、まちの拠点の考え方や再生や再編への取組みのご感想、特徴的な取組みの事例、空き地・空き家の活用などについて、ご登壇の皆様からのご意見やご経験談のご披露がありました。
またご来場の自治体の方々と登壇者との間での問答もあり、活発な意見交換会がなされました。

御参加いただいた皆様には、その地域の特性を活かした人口減少下での「まちの中心」の再編・再生へのヒントになったのではと感じております。

最後に当協議会の副会長である岡本浩一より当日のご講演者及びご参加いただいた皆様への謝辞があり、大変有意義なまちづくり研修会となりました。

レポート作成:
一般社団法人 北海道まちづくり協議会
交流研修事業部会長 内山靖久

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