6月30日、当協議会運営幹事・佐藤 薫氏を講師に迎えて開催した第2回まちづくりゼミナールは、34名の方々にご参加いただきました。
今回は、「立退料について」鑑定評価上の権利価格と補償基準との関連を中心にお話いただきました。不動産鑑定評価の依頼目的には、従来からの売買や担保のほか、企業会計に絡むもの等があり、その対象も事業用不動産など、さまざまものに及んでいる現況の説明から始まり、東北支社に勤務されていた時の経験談を交え、立退料について、なかでも借地権と借家権の考え方や取り扱い方を中心に解説してくださいました。
また、立退料は、不動産鑑定評価基準や補償基準とかかわりを持っており、両方からのアプローチができる。現在は、その折衷案的手法も試みられているが、佐藤さんご自身としては、実務的な観点から見ると補償基準からのアプローチの方が説得力があるのではないかとのご意見でした。
ゼミナール終盤では、参加者からも、道内や札幌での再開発事業における借地権や借家権の取り扱い等の事例や経験事例についての情報提供があり、意見交換が活発に行われました。
鑑定評価をするのは、土地や建物だが接するのは人、まさに暮らしや生業そのものであることから、立退料査定においては、実体の不明確な借家権価格+αの観点よりも、借家人補償を含む通常損失補償の観点からの検討の方が、慣行にも馴染み妥当性が高いと締めくくられました。
こうして、第2回まちづくりゼミナールは有意義に終了しました。
〔レポート&写真:(有)ジョブコム・能戸裕之、編集:事務局〕
【第3回まちづくりゼミナール】7/28開催
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2011年7月11日(月)