一般社団法人 北海道まちづくり協議会

北まちブログ

2011年9月24日(土)

[レポート]第3回まちづくりゼミナール〜環境にやさしい移動サービスを目指す〜

7月28日、株式会社ドーコンモビリティデザイン取締役事業部長・澤 充隆氏を講師に迎えて、サイクルシェアリングシステム『ポロクル』事業について講演していただいた。
エコの意識が高まるなか、札幌市内においても移動手段の一つである自転車の利用者が急増、この現象に伴い「放置自転車の増加」「駐輪場所不足」「歩行者とのトラブル」など社会的問題として取り扱われることも増えている。そのような中、「自転車において住みよい街をつくる」サイクルシェアリングについての活動が始められた。事業モデルはフランス パリの『ベリブ』、1800のステーションと約2万台の自転車を保有し、街路広告収入と自転車利用収入によるレンタサイクル事業。
08年ドーコン有志と大学の先生、学生たちが協同で調査を行い、札幌市内の機械メーカーとシステム設計会社がサイクルポートを開発・製作。09年8月、サイクルポート8か所で実地実験をスタート。11年4月にサイクルポート20か所100台で事業を開始。
サイクルポートは都心部に集中して設置されており、利用料は105円/30分(登録料金等は別途)。目下のところ、仕事での移動利用が大半だが、都心でのショッピングや観光客の足として都心部商業施設、ホテル、観光拠点前にもサイクルポートが設置されている。自動車の渋滞に巻き込まれず、時間やコスト的にも利点があるとの評価が利用増につながっていると報告された。課題としては、各拠点のサイクルポート毎の利用状況のばらつきによる自転車の不足、満車などが浮き彫りになってきており、今後はそれらの課題も踏まえ、サイクルポートを40か所に増強していく計画も発表された。この事業では、自転車のマナーについても啓発活動を行っている。(自転車走行の基本は車道左側走行、歩道の走行は禁止)
後半でのフリートークでは、行政との連携による社会的課題の取り組み。さらに利用者が増えるような雰囲気作り。事業としての収益性、冬期間はどうしているの等さまざまな質問・意見が続出。
レポート筆者の私も通勤や1時間以上の移動等においても自転車を利用する愛好者の一人。皆さんも青空の下自転車を利用しませんか、自動車での移動とはまた違った景色が見えますよ。
《レポート :YAM 建築計画 主宰 山口 重則、編集:事務局》