一般社団法人 北海道まちづくり協議会

北まちブログ

2022年10月12日(水)

【レポート】2022.10.4 10周年企画 熊本市桜町地区第一種市街地再開発事業視察見学会

当協議会では設立10周年を記念し、熊本県熊本市で行われた桜町地区第一種市街地再開発事業の見学会を開催しました。

参加者は29名と予想を上回る参加をいただき大変有意義な視察を開催できました。

第一種市街地再開発事業が施行された桜町地区は、熊本市の中心市街地に位置し、熊本城とは数分の距離に在り、市域におけるバス交通の拠点として機能してきた地区です。

既存バスターミナルの老朽化、中心市街地の活性化を目的に平成27年の事業認可を経て熊本桜町再開発株式会社により第一種市街地再開発事業が施行されました。(事業完了は令和3年)

見学会では、事業で整備された熊本城ホールの会議室にて、事業にご尽力なさった熊本市の担当者、事業コンサルタントとして活躍された方から事業に関する説明等を頂きました。

熊本市からは、当初は桜町地区だけではなく道路で挟まれた向かい側となる花畑地区も事業化について検討を進めており、双子の再開発を想定していました。しかし、時代の流れ、経済状況の変化により花畑地区は事業化を断念、再開発事業としては桜町地区一本として進められてきたとのことです。

しかし、熊本市は事業化ができなかった花畑地区を現状のままではなく、

熊本市で取得した建物を解体、また、桜町地区との中間にある道路を廃道し、広場として整備したとのことです。

この広場では、中心市街地の活性化に寄与する様々イベントを展開し、市民の賑わいの場として機能しているだけではなく、熊本城と隣接する立地から観光客等も憩う空間としても機能しているとのことでした。

また、今後はこの広場空間をより充実させるため、もう一本の道路も廃道する予定とのことで、桜町地区を中心に商業だけではなく、広場による賑わい、交流の空間が地区全体として形成していきたいとのことで、熊本市にとっても重要な事業だと話しを通して伝わってきました。

事業コンサルタントを担った川端様からは、市街地再開発事業特有の保留床処分の難しさ、商業地であることからテナント交渉の困難さなど事業に携わった方でなければ語られない貴重な話しを拝聴できました。

熊本城ホールでの聴講の後は、本事業の施設建築物である「サクラマチ クマモト」の見学を行いました。熊本城ホールは2300人ほど収容できるホールと3,000人規模のコンベンションを単独で開催できる展示ホール、各種会議室からなる施設でした。また、サクラモトマチには、ホテルや商業施設、交通の拠点となるバスターミナルなどから構成され、屋外空間は階段状に各フロアに屋上広場が整備されていました。この辺りは雪国の北海道では目にしたことがないため、新鮮なものがありました。

施設見学を終え、桜町地区第一種市街地再開発事業の見学会は終了しました。

その後は、当協議会恒例の講師を交えての意見交換会を開催し、その後参加者は熊本市の繁華街へ経済活動に赴いていきました。

今回の視察では、突然のお電話、メール等で快く快諾していただけた熊本市都市建設局都市政策部市街地整備課の皆様、BA Visions Channel 代表 川端 亙様にはご尽力いただき誠にありがとうございました。

また、現地集合現地解散という行程にもかかわらず多くの会員の方に参加していただき、誠にありがとうございました。