一般社団法人 北海道まちづくり協議会

北まちブログ

2012年2月21日(火)

[レポート]H23年まちづくり研修会&新年交礼会

 1月26日、まちづくり研修会&新年交礼会が開催されました。まちづくり研修会は、『第1部・まちづくりゼミナール、第2部・まちづくり支援活動報告』の2部構成で行われました。
『第1部・まちづくりゼミナール』では、札幌駅前通りの計画・まちづくり会社の運営に携わっておられる石塚雅明氏より、開業から間もなく1年が経つ地下空間に関する活用面の工夫・課題などを、制度的な視点を絡めてご紹介いただきました。まちづくり会社ではまち全体の活性化をねらいとしおり、事業収益を地上部とのアクティビティや地下空間沿道部との連携を高めることに還元している等、事業の全体像を映像も活用しわかりやすくご説明くださいました。収入源の核となっている地下広場では、季節や世代にとらわれないことを強みにイベントが企画されており、様々な事例を示していただきました。利用が増えると、反面あらゆるものがはびこり、空間の質や魅力が減退することにも繋がる。とりわけ公共空間では規制や線引きが難しいと、現場ならではの問題提起もありました。空間の強みを確保するうえでは、制度設定によるコントロールが重要であり、壁面広告のルール化の話は興味深いものでした。地区計画についても、接続幅員に応じた容積率の緩和による既存ビルの建て替え更新の促進、歩行レベルの統一性を図るしくみなどの説明があり、なるほどと思いました。
参加者からは今後の展望に関する質問が多く出され、石塚氏は地下空間の活気をいかに地上部に表出させるかを課題にあげました。地上部の魅力創出の策としては、アトリウム空間の整備、地下と連動したユーティリティ空間の創出、まち歩きのためのマップの作成などを計画しており、しっかり取り組んでいきたいと抱負を述べられました。札幌のまちがさらに魅力的になっていくことへの期待と同時に、石塚氏の活動にも注目していきたくなる内容でした。
『第2部・まちづくり支援活動報告』では、当協議会で現在実施している4つの活動について、各活動リーダーから初年度の活動取組と今後の方針・方向性を中心に、ミーティングや情報の収集、現場取材や勉強会の実施などの様子が報告されました。次年度にむけては、蓄積した理論を実践へと移すことが共通の目標となりました。実践および活動を継続していくためには、自治体をはじめとする関係機関への協力、メンバー会員の参加・増員など、組織づくりのさらなる充実化が求められます。当協議会が人とのつながりや異業種間の交流を育む場として機能していくことが、活動の推進にも結びつくのではないかと実感しました。
 研修会終了後、会場を移して新年交礼会が行われました。会では出席者全員による自己紹介などがあり、新たな出会いとともにこれまでの絆がさらに深まる場となりました。札幌地下空間とまちづくり促進協議会は、誕生してまだ1年と共通していることもあり、両者のこれからの発展や可能性を大いに感じることができた日となりました。
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<今月のレポーター・プロフィール>
(株)ソフトスケープ 瀧田展明
1.仕事の領域
→まちなみ・通りなどの景観検討、サイン計画検討、地域支援や活性化などの事業、施設の利用状況などの調査 など
2.好きなこと(今はまっていること)
→テーマを決めた散歩(建築、歴史遺産、公園、喫茶店などを巡り歩きます)
3.北まち協議会の仲間と今後やっていきたいこと
→今後もいろいろな方とお酒を酌み交わしながらお話させていただきたいです
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