8月31日、当協議会会員の清水建設(株)北海道支店 開発営業部課長 菅野 克氏を講師に迎えて開催した第4回まちづくりゼミナールは、28名の方々にご参加いただいた。
今回は、「土壌汚染と土地取引リスク」という題目で土壌汚染対策法を中心に、それに係る土地取引の考え方やリスクヘッジ等のお話いただいた。
講義は、菅野氏がこのテーマについて調べることに至った仕事の経歴、そして近年の土壌汚染に関する土地取引の裁判事例から始められた。土壌汚染への注目は外資系ファンドの進出がきっかけという背景、何を土壌汚染というのか、などの話を経て、土壌汚染対策法に関すること、土壌汚染調査方法、調査結果の取り扱いなど、さすがに技術者らしく分りやすい解説だった。特に「改正土壌汚染対策法」における自然由来の汚染物質の法律上の取扱い方や現状の行政の扱いなどは、最新の情報を提供していただき大変興味深い内容であった。(札幌は広い地域で自然由来の砒素が存在する。目下のところ放射性物質に基準はないなど)
また終盤は土地取引に対して先の土壌汚染調査で得た結果やその他の「知り得た情報の開示」「リスク程度の取引当事者判断」や「リスク分担を合意しての契約」へと話が進み、最後に土壌汚染に関連した観点からの「安全な土地取引とはシロの取引ではなく、リスクの程度が、明確な根拠に基づいて、相互に認識できる取引である」と結んで講義を終了した。
意見交換では参加者から、調査会社の責任度合い、土壌汚染に関して鑑定評価側から見た意見、実際の事例における相談など、終始活発に質問や意見交換が行われた。
《レポート:(有)ワイズデザイン アンド マネージメンツ 代表取締役 坂本行宏、編集:事務局》
2011年9月24日(土)