『災害対策とまちづくり~震災対策を中心として~』
10月27日、パワーウェーブ主宰の林雅之さんを講師に迎え、北海道における地震とその対策を中心としたまちづくりをテーマに講演いただきました。
まず、北海道における自然災害において、地震・津波による災害は風水害に続いて総合的な被害が大きな災害であり、対策を重要視する位置づけであることを、統計的な数値を示しながら説明されました。
道内で起こりうる地震については、想定規模、各地域の最大震度・断層・震央の位置など数多くの情報が、さまざまな機関から発信されていることが紹介され、全ての情報を重ね合わせると道内全域で安全なエリアは無く、全ての地域が危険にさらされる可能性があることも公開資料から読み取ることができるとのことでした。
こうした避けられない地震に対する対策については、地震予知からはじまり、耐震・免震・制震などの建築的手法、防災型都市づくりに至るまで、多分野でさまざまな取り組みが行われていることが説明されました。また、地震に強い都市構造を構築する際、コンパクトシティの考え方を取り入れる必要性・有効性についても強く指摘されました。
質疑応答では、東日本大震災の経験から、札幌中心部への津波被害の可能性の有無や、ライフライン等ネットワークの分断を検証することで見えてくるものがあるのでは、など活発な意見交換がなされました。
今回の講義を拝聴し、身近に地震に対する情報が数多く提供されていることや、津波避難ビルの設置などの震災対策が行われていることを知りました。自分の住むまちの状況を知ることから考えることも大切ではないか、そして、そのような機会づくりもまちづくり活動のひとつだと思いました。
(公開されている情報例:札幌市地震防災マップ)
http://www.city.sapporo.jp/kikikanri/higoro/jisin/jbmap.html
《レポート&写真:岩田地崎建設株式会社 第2営業部 久新 信一郎、編集:事務局》