一般社団法人 北海道まちづくり協議会

北まちブログ

2015年10月8日(木)

【レポート】平成27年度 まちづくり研修会 開催報告

『“住み続けたいまち”~新たな移住・定住を考える』

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平成27年9月29日(火)、(株)内田洋行札幌ユビキタス協創広場 U-caraにおいて、「“住み続けたいまち”~新たな移住・定住を考える」をテーマに、平成27年度まちづくり研修会が、77名のご参加をいただき盛会に開催されました。

1.人口減少問題に対する市町村アンケート(対象:全道179市町村・回答率47.5%・回答85市町村)北海道まちづくり協議会 まちづくり支援事業部会 部会長の中山祐二氏から、人口減少問題に対する市町村の取組み状況の報告がありました。H27_machiken_002市町村の規模別で取り組みの効果や課題に差がみられること、移住定住の取組みがトップ、基盤整備・育児支援・住宅支援について効果があることなどの報告があり、研修会テーマの背景が浮き彫りとなりました。

 

2.講演
講演は、辻野浩氏(当別町)、吉木美也子氏(厚沢部町)、穴澤義晴氏(月形町)の3氏から、各市町村で民間やNPOの立場で取り組んでいる最前線の話をいただきました。

H27_machiken_003辻野氏からは、当別町での移住事業のトライアルについて話題提供をいただき、移住される方との交流を大事にした様々な取り組みが紹介されました。「最後まで関わることが大事」「住みつなぎをしっかり」などの指摘がありました。

吉木氏からは、素敵な過疎のまちづくりとして厚沢部での取り組みが紹介されました。町のパートナーとしての事業展開、入居される人を大事にした計画プロセス、そして「移住H27_machiken_004者を増やすではなく、満足して住み続けられるまちにすることが移住者を増やす」という発想が印象的でした。

穴澤氏からは、月形町で若者の引きこもり支援の展開について「第2のふるさとをつくる?困りごとを困りごとで解決」といった新しい視点での取組みが紹介されました。特に困りごとは地域では「しょうがない」と認識されがちな中、事業を通じて「若者が地域でも必要とされるマッチングがあって、若者も変わってきた」という話は説得力がありました。H27_machiken_005

3.意見交換会
講演後は、当協議会 常務理事の高森篤志氏の進行により意見交換会が行われ、①雇用や就業支援の心配、②医療福祉介護の確保、③住まいや住環境のニーズ、④コミュニティの問題(新旧の住民とのすれ違いなど)、⑤移住施策の連携の今後、5つの切り口から議論を深めました。
「移住対応はトータルな施策展開が必要(辻野氏)」「地域通貨で交流サービスも(吉木氏)」「祭りなどの地域行事に参画することが、迎え入れにつながる(穴澤氏)」など、移住問題を考えるコツやアイディアを出していただきました。

H27_machiken_006実践を通じたリアルな話題提供に、参加者も熱心に聞き入り、これからの移住問題の新たな展開を期待させる有意義なまちづくり研修会となりました。

 

 

 

〔レポート: (株)プラッツ 辻井順〕