■開催趣旨
「北まちブログ THE座談会」では、各専門分野で活動されている会員の皆様から、北まちの活動テーマ『まちの中心のあるべき姿を考える』について、それぞれの経験を通じ日頃よりお考えになられているご意見や思いなどを伺い、数回に分けて掲載しています。
平成29年12月、3名の方にお集まりいただき“まちのリノベーションをかんがえる”と題し「THE座談会3」を行いました。その内容を会員のみならず、皆様にとって『まちの中心のあるべき姿を考える』ヒントとしていただくとともに、今後まちづくりに関わろうとする方々の手がかり、足がかりとしてもお役立てていただけることを期して、今回から7回にわたり連載いたします。
《第1回》 座談会メンバー、それぞれのまちの今
《辻井》
北まちの情報広報関連事業部会・副部長の辻井と申します。よろしくお願いします。
お寒い中をお集まりいただきどうもありがとうございます。
今日は、まちのリノベーションを考えるということでお三方にお話を伺っていきたいと思います。
北まちの年間の全体のテーマが、「まちのあるべき中心を考える」ということで、まちのあるべき姿を考える時に、エリアリノベーションという考え方が最近注目されているということで、今回の座談会ではそういった面を中心にお話を伺っていきたいと思います。早速、市橋さんから自己紹介をよろしくお願いします。
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Renovation= 建築物ではリフォームよりも大掛かりに修復し機能更新すること。また、〈…の〉元気を回復させる、〈…を活気づける〉という意味でも使われる
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《市橋》
北海道ガスの市橋といいます。よろしくお願いします。
仕事の概要ですが、デベロッパーさんが分譲マンションを建てる時に熱源としてガスと合わせて電気を使っていただきたいということでデベロッパー様に提案させていただいております。
住まいは、札幌市厚別区の方です。最近、趣味といいますか、マイブームといいますかゴルフが非常に楽しくなってきて、はじめて7・8年が経つのですけれども、昨年、ゴルフが楽しいなと初めて思ったのです。年間15回くらい行っているのですが、今年も存分に楽しみたいと思います。
《辻井》
北まちもゴルフコンペがあるそうです。
《市橋》
1回参加させていただいたのですけれども、今年は積極的にいろいろなところに参加していきたいなというふうに思っております。
《辻井》
マイブームまでありがとうございます。
では、保坂さん、お願いします。
《保坂》
伊藤組土建営業部の保坂と申します。
入社8年目で、その間2年間育児休暇をいただき、営業部に配属されて2年目になります。ゼネコンの営業マンで、女性は市内でまだは少ないのですけれども、上司のアシスタント的な役割をしながらゼネコンの営業マンはどういうお仕事をしているのだろうというところを勉強しながら働いています。
住まいは、札幌駅北口の北九条小学校付近です。最近の趣味は、子どもがいるので市内の公園を回ったりというところですね。よろしくお願いいたします。
《辻井》
では、宮坂さん、お願いいたします。
《宮坂》
宮坂美恵子と申します。
ウチは小さな会社なものですから、一応、代表取締役社長をしておりますけれども、小間使いみたいなものです。
住まいは、琴似のJRの近くです。振興社の仕事としては、不動産の賃貸・管理です。皆様ご存じかと思うのですけれどもJR琴似地区の再開発を、うちの母、うちの主人が第一期として札幌市の大きなJR再開発事業を、マンション棟と駅がつながる空中歩廊にしたのですけれども、私は、本当に最後の、主人が最後の時に癌になりまして、完成の2週間前くらいかな、ちょっと間に合わなくて…。そこの終盤だけなのです。私が関わったのは
《辻井》
宮坂さんには、代々琴似のまちづくりで力を注いでこられたお話をいろいろ伺いたいと思います。
《宮坂》
マイブームですけれども、私は殆ど東京人で、今も自宅は東京にございまして、実は母が去年103歳で他界したのですが、その介護のためにこちらに来て、なぜか仕事もすることになりました。8年間介護をしていましたので、仕事と介護で殆ど何もできない日々でした。母が亡くなりまして、ぼちぼち自分の好きなことも、ということで、琴似地区でスカイウォーク・イベントとかありまして、たまにそこで歌わせていただいたり…これからは旅行もしてみたいなと思っております。
《辻井》
自己紹介が遅れましたが、私は、普段は、都市計画とかまちづくりのコンサルティングをやっております。どちらかというと、まちづくりの方向性をつくる計画が中心ですが、都市の再生事業とかが4割くらいでしょうか。また、緑の基本計画といって市町村の公園緑地などを将来どういう緑の将来像を描いていこうというお手伝いをする仕事もやっています。
マイブームは、つい最近、猫を生まれてはじめて飼いまして、今は猫と遊ぶことが大変流行っております。どうぞよろしくお願いいたします。
自己紹介がてら、お住まいのことも伺いましたが、ちょうど4つの住宅のタイプということがわかります。まず、比較的まちではなくて郊外住まい。私も山のすぐ下です。そして、どちらかというとまち中住まい。もう一つは、私と保坂さんは集合住宅。市橋さんと宮坂さんは戸建てタイプということで、まち中と郊外、そして集合住宅と戸建てということで、それぞれの立場で暮らしぶりが違うお話も聞けるかなと思います。市橋さん、今、お住まいの周りの様子をもうちょっと。
《市橋》
私は、厚別区で、住所でいうと上野幌に住んでいます。ちょっとイメージはつかないかもしれませんが、厚別陸上競技場がすぐ近くにある戸建て造成地区です。世代でいくと、私は41才なのでが、私の世代ではなくて私の親世代が多く住まわれている地域です。自分の自宅の道路を挟んで向かい側が小学校なのですけれども、徒歩1分もないような環境です。しかし、子供の数が圧倒的に少なくて、小学校1年生から6年生まで各学年1クラスしかないという学校です。
《辻井》
統廃合の話もあるのでは?
《市橋》
3年くらい前から統廃合の話が出て、今年に入って漸くまとまって、隣の小学校と合併するということになったのです。合併しても各学年2クラスか3クラスほどではないかと思います。それくらいに子供が少ない地域です。
しかし、我が家の向かいにある小学校を使わずに、違う小学校を利用するということも決まって、せっかく目の前にある小学校に通えなくなり、一体ここは何に使われるのかなと思っています…。
《辻井》
それこそコンバージョンしてということなのですかね。
今、裏腹に都心で起こっている事象で、中央区の小学校では人口が増えクラスが増えている。その反面、郊外ではそうした問題が出てきてという表裏かな思いました。
保坂さんは、まち中にお住まいですがどうですか。
《保坂》
私の家は、北九条小学校から徒歩2・3分のところです。幼少の時から札幌駅の北口付近に住んでいまして、私が小学生の時は、北九条小学校というと、1クラス20人で2クラスがやっとという、成り立つか成り立たないかくらいで、それこそ廃校になるんじゃないかなと思っていたのですけれども、今になって、ここ数年マンションが非常に急に立ち並びまして。何年か前に、うちの会社で改築工事を行ったのですけれども、それでも今足りなくて、計画としては、まだ出ていないと思うのですが、どうやら教室が足りないらしい。お子さんが通っていらっしゃるご近所さんから30〜40人の3クラスになっているという話を聞きまして。
ただ、また今後もマンションが建設される計画がどんどん持ち上がっているので、グラウンドも非常に小さい学校なので、増築するにしても、私の子供が通う時にはどうなってしまうのだろうと思っています。マンションが非常に多いために便利で快適ではあるのですけれども、集合住宅の隣家の人ですとかマンション内にどういった方が住まれているのかとか、地域の方々との接触が殆どないので、小さい子どもを育てているこの時期は少し不安を感じたり、不便なところを感じたりします。
《辻井》
ありがとうございます。
まち中の姿も色々変わってきている様子が今の話でわかりました。保坂さんが昔からお住まいのエリアは、昔は戸建てでしたか、それとも集合住宅ですか。
《保坂》
昔も集合住宅が多いエリアです。
《辻井》
昔からの馴染エリアですね。戸建て住宅にお住まいになろうという選択肢はあるのですか。
《保坂》
子供がいないときは今の利便性の良い都心の家を大変気に入っていたのですけれども、やはり人付き合いの無さですとか交通量の多さから来る危険、知らない方々が多いということで、子供が生まれてからは郊外の広いところに一軒家が欲しいなと、非常に検討している時です。
《辻井》
それぞれライフスタイルに応じた魅力があるということですね。ありがとうございます。
宮坂さん、今、琴似のJRの駅舎のすぐ近くにお住まいですが、まち中住まいはどうですか。
《宮坂》
私が子どもの頃、住んで育った場所なのですけれども、何十年か経って戻ってきて感じるのは、あまりにご近所づきあいがない。昔は、本当に周りの方も皆さん知っていて、何かあってもすぐにわかったような状態だったのです。30年経って帰ってきたら、知っている方もただ挨拶をするだけなのです。
先程申しましたけれども、東京に住んでいて戸建ての家、うちの近くは結構古い方が多くて皆さん近所付き合いが良いのです。特にうちには犬がいたので犬仲間のお付き合いがすごくて。いまだに東京に帰った方がご近所との挨拶が多い《笑》。
東京の家には、今は誰も住んでいないのですけれども、最近まで子供たちが住んでいて、私がたまに帰って、駅に着きましたと連絡しても「なかなか帰ってこない」というのです。家から駅まで10分足らずなのですけれども、そこでどなたかにお会いしちゃって、「あら、札幌から帰って来てたの」と長話しちゃって。でも、いま琴似に住んでいますと、そういうことが全く、殆どないのです。
《市橋》
意外ですね。
《第1回》 ここまで
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【THE座談会3】
第7回まで順次アップしていきますので、引き続きご覧ください。
《第1回》 座談会メンバー、それぞれのまちの今
《第2回》 ライフスタイルの変化と交通の利便性の関係
《第3回》 まちの昼の顔と夜の顔、そしてエリアでの暮らし方
《第4回》 モノやコト、居住空間をシェアするということ
《第5回》 地域コミュニティとコミュニケーションの昔と今
《第6回》 エリアごとの個性をいかすエリアリノベーション
《第7回》 計画力、企画力、住民力を一緒に磨いていく