一般社団法人 北海道まちづくり協議会

特集記事 THE座談会

2017年3月23日(木)

連載企画THE座談会2《第8回》北まちが担っていくべき役割

前回:第7回 混ざる、混ざり合うことが、はじめの一歩

《8回目》北まちが担っていくべき役割 ■■■■■■■■■■■

《大場》 ゴチャ混ぜというキーワード、よい言葉を聞いたのだけれども、全部巻き込んでいくことだと思います。実は、まちづくりで婚活グループの人が入ってきたりすることもあったりして、その方々がイベントをやったりすると、まちづくり・活性化に繋がるわけです。いろいろな人を、女性もそうだし、お年寄りでも元気なお年寄りがたくさんいるわけだから、そういう人たちも全部巻き込んでいくような仕掛け、役所などはそういうことをオブザーブするといいますか、そういうまちづくり。補助金を引っ張ってくるという形ではなくて、地元の金融機関をどう使うかというような発想に持っていく。今はそういうしくみも出てきているから、地域で巻き込んでいく仕掛けをやっていくべきですね。うちの町だけで足りなかったら隣町と協働で、いろいろな人を巻き込んでいく。そういうまちづくりが今後必要といいますか、そっちかなという気がします。 どうでしょう。

《久新》 その中に、いろいろな世代がいたほうが絶対いいと思っていて、高齢者の人は多くなってきていて、子どもがいないといういびつな感じになっていると思います。実際に、小さい子が、たとえば、若い世代が町に帰ってきて、地域に入って、直接親子とかそういうのではなくても、町のエリアの中に三世代、もしかしたら四世代かもしれないくらいの人たちがいるコミュニティになってきた時に、それぞれ少しずつ繋がりができたり、見守るようになったりしている姿を見ることがあったりするのです。そうしたときに、こういう方向にいくのが正解なのだろうなと思うことがあって、先程のゴチャ混ぜの要素の一つには、多くの世代が関わったまちづくりになることがすごく楽しげなものになるし、必要なことなのではないかと思います


《岡本》
聞いた話のゴチャ混ぜを紹介しただけなのですけれども、良いキーワードだったのかなと思います。たとえば、町内でこういう催しをします、何々セミナーをします、何々教室をしますというところに集まって来る人は活発なのでしょうけれども、頼まれると断れないという人も結構いると思うのです。みんながいるところに行くのは嫌だけれども、頼まれたら、これも話したいし、あれも話したいというような人、こういうことだったらできるよという人もいると思うのです。こういうことをやるから集まりませんかではなくて、こういうことを頼めませんかというような声掛けの仕方をしていくとまた違うのではないかという気がするのです

《押野》 頼みたいことをよりわかりやすく伝えるということですか。

《岡本》 そうですね。そういうことだったらできるかなとか。こういう町を目指したいので一緒にやりませんかではなくて、こういうことをやってもらえませんかというような声掛けをすると、しょうがないな、やってやろうかというような話になってくる部分もあると思うのです。ビジョンを持っている人と、そこで人を。

《押野》 出番を上手につくってあげる感じですか。

《岡本》 役者をつくってあげる人がいるといいのではないかと思います。

《大場》 うまく核になる人がね。

《押野》 脚本家やディレクターのような感じの人が。

《大場》 ストーリーを描く人だ。

《岡本》 しょうがないな、やってやるか、というような話できてしまったような感じもあるのではないかなと思ったりもするのですけれども。

《押野》 そうしたときに、北まちでゴチャ混ぜということで人口が少ない町でお手伝いできるようなことはありますか。聞き方が乱暴かもしれないですけれども。

《岡本》 結局、北まちはゴチャ混ぜな協会のはずですよね。

《押野》 いろいろな人がいますからね。

《岡本》 しかし、そのゴチャ混ぜ感を活かせていないのかもしれないし、先程ありましたけれども脚本家のような、あの人たちはこんなことができそうだから頼んじゃおうかというようなことができ始めると、もしかしたらすごいことができたりするかもしれないなと思ってはいます。ゴチャ混ぜな環境を活かせるかどうかが今後にかかっているのかなとは思いますけれども。

《押野》 ありがとうございます。多様な世代を巻き込んでいくことがこれからのまちづくりの一つとして活きてくるのではないかという捉え方ですね。そのためには、それをイメージできて描ける人が重要で、北まちにはそういう人材が大場さんを筆頭にたくさんいるのではないでしょうか。さらに、そういう訓練をしていく必要がより強くなってきているということなのでしょう。待っていても脚本家にはなれないから。

《大場》 恵み野商店街は、成功事例ではないですか。商店街の人たちを巻き込んでいったわけでしょう。当初は、課題をストレートに指摘して難しい面もあったようだけれど、それが、みんなやる気になってきて、それを支えたわけだから。今後の協議会の一つのあり方、姿かもしれない、ヒントになると思います。

《久新》 北まちのメンバーが脚本家になれれば一番いいだろうし、北まちのメンバーはゴチャ混ぜである必要があるのだろうと思うのです。まちをつくっていくということは共有できると思うのです。その先導役、脚本家が北まちのメンバーであってもいいと思うし、地元の中でそういうことができる人を見つけるということも北まちの役割だと思う。この人だなと見つけ出せる能力も北まちにはあるのではないかと思います。そのような役割も一つかなと思いました。

《押野》 長時間にわたり、いろいろためになるお話をいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

第1回 まちなかの変化,人の変化
第2回 学生たち…受け身から働きかけに
第3回 現場を通して感じる人口減少
第4回 まちのコンパクト化とは?
第5回 暮らし方の選択肢は多様である方がよい
第6回 これからのまちづくりに必要なこと~キーワードは「ごちゃ混ぜ」
第7回 混ざる、混ざり合うことが、はじめの一歩
第8回 北まちが担っていくべき役割

■■連載企画THE座談会2[人口減少時代にまちづくりをかんがえる]の連載は、これにて終了です。
北海道まちづくり協議会では、平成29年度も新たなテーマで座談会を計画しています。